【書評】成毛 眞『アフターコロナの生存戦略』

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クオリティーの高い総花的な本。著者が思ったことや聞きかじったことが羅列されています。しかし、各トピックは具体的で面白く、ビジネスに、パーソナルに、役立つ情報が2つ3つ見つかること請け合いです。ざっと流しながら気に入ったことをメモする、という読み方が最適。

例えば、今後伸びる業界は? 沈む業界は? 伸びるのは不動産やゲームなど在宅エンターテイメント。沈むのはアパレル、化粧品。ロジカルな根拠があるわけではありませんが、今後の世の中の流れを読んだり、どんな株を買うか選んだりする際の参考になるでしょう。

「なんでも3000時間やればうまくなる」というようなちょっとした言葉も、何かを始めるきっかけとなるかもしれません。

著者が強調するのが富士山噴火リスク。「人類最大のリスクは富士山といってもよいほどだ」との著書の言葉の可否はさておき、富士山噴火時に何が起こるかを考え、備えておくのは面白いです。急騰する株は何だろうか、など。富士山噴火が起こらなくても、その可能性が取りざたさせるたびに株価が上がるかもしれませんよ。

一番「へえー」と思ったのが、気仙沼の話。気仙沼では、世界中の漁船団が押し寄せるため外国人が多く、地方とはいえ開明的で、漁師にはバイリンガルが多いそうです。

メモしておきたいポイントが満載なのが、この本のいいところ。

・介護格差。長生きがリスク。

・生活保護を受けている高齢者世帯は89万世帯以上で、全体の5割強を占めている。

・1億円持っていても、30年間で割ると、300万円。

・一人っ子が多いと戦争はしない。母親が許さない。

・自動車会社から自動車会社に移るのは、転社であって、転職ではない。

総花的な本の紹介なので、書評も総花的にしました。気楽に読み飛ばしてもよし、詳細にメモを取り考察を加え今後のビジネスの参考にしてもよし。お得な本です。


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