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シュナの旅(著:宮崎駿)【世界の終わりのマンガ紹介には最初のカギが置き忘れられていました】

宮崎駿御大のまだ鳴かず飛ばずの頃のふしぎ絵本。

最初はチベットの民話を元にした、と聞いていたので、本当にチベット昔話みたいなノリだと信じて読んでいたのですが、
そのうち古式銃が出てきたり(19世紀の話なのかなとか)
空を巨大な月みたいな宇宙船が移動するシーンとか(これ完全にSFだ)
さらにナウシカ(マンガ版)で出てきたサボテロイド(サボテン型ドロイド)まで出てくるに至り、

思っているより新世界でした。
これを文庫本のサイズで出すというのがふしぎ。

ナウシカマンガ版に出てくるサボテロイドなどが出てくるので、
世界観がナウシカシリーズと少しかぶるのですね。
巨大産業文明崩壊後の世界という設定のようです。
腐海とかは出てこないので、やはりかなり違う模様。

そんな世界をアシタカ(としか思えん)主人公が旅をして一族のために種を探してくる話。ヤックルもいるし。

いやこれはペジテの青年の方なのかな? 見分けがつかん。

しかも二転三転四転あるので、脚本としては退屈させない話でした。

***

最初の方のあらすじを言いますと、
どこかの風の谷のアシタカ(としか思えん)王子が、
民のための種を取りに行くんですね。
なんでも行き倒れの元王子だった老人が本物の小麦っぽいのを持ってたんですが、すでにそいつは精米されてた。
(岡田センセはモンサント社の芽が出ない種だといいますが)
そこで芽が出るやつを探しに行くんですが、
時代は中世。
奴隷の少女を助けたりしているうちに、
世界の果てにたどり着きます。
そこには・・・・謎の超科学!! みたいな

***

なんとなく民話アレンジの延長の話なのかなと思っていた私からすると、予想外の展開で、評価は高くなりました。
ですが21世紀も最初の4分の1をそろそろ過ぎるあたりからすると、ちょっと物足りなさを感じるかもしれません。

ジブリアニメの原点なのか、どこかで観たことあるような登場人物やデザイン設定がオールスターです。

これも知ってる、あれもみたことある。
いやシュナの方が先なんですが。
これが元ネタであちらが流用というか。

ただこの人は職人気質の人なので、とにかく手は抜かない人です。
ほどほどに手を抜くというのは、できない、といってもいい。
手を抜いた箇所がほの見えたとしたら、それはわざとです。

とにかく岡田斗司夫センセの解説によると、読者がとうてい気づけないほどの奥行きのある世界観なのは、他の作品と同じのようです。

そんな深い奥深い哲学を気づくのは私には不可能ですが、
それはともかく短いけど印象深くはある作品だと、この辺で紹介を終わります。

あと御大先生もこの時は、まだ若い。
というのを筆者解説や筆者写真で強制的に納得させられる。
この辺、情報を最新にせず、80年代の記述のままで出版し続けているのがふしぎ。
30年間在庫があったわけでもあるまーに。なぜだ?

後書き:
ゲド戦記を作る際に、これを参考にしたそうだけど、やはりだいぶ無理があるんじゃなかろーかとは思った。
シュナはシュナで普通にアニメ映画にでもした方がいい。
岡田センセの言うようにハリウッド実写化でもいいし。


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