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【読書感想】「ストレングス・スイッチ ~子どもの強みを伸ばすポジティブ心理学~」 リー・ウォーターズ

読了日:2018/12/15

この本の概要

弱点、苦手分野に目を向け、それらを克服しようとするのは、人が進化の過程で生き残るために獲得した本能だが、そこには大きな落とし穴がある。子どもの足りない部分を意識するあまり「強み」を忘れてしまうからだ。しかし、その習性を逆に生かし、子どもの長所を探してさらに伸ばす戦略を取れば、真の才能が覚醒する!近年注目を集めるポジティブ心理学界のホープが、豊富な研究結果や親たちの実例、そして自身の子育て経験をもとに、科学的理論を日常の実践へ橋渡しする。
「BOOK」データベースより

なんでこれを読んだのか

なんでこれを読んだのかって?!
シンプルに、子育てに悩んででるからです。

私には、8歳(小2)、5歳(年長)、1歳の息子がいます。
だんご3兄弟。

この本を読むまでもなく、私も「子どもそれぞれの長所を伸ばしたい」と思い、前向きな声かけをこころがけてはいます。

が!

気付けば毎日同じような注意をしてしまう…。

長男には、
「ランドセルや出したものは所定の場所にしまえ!」
「洗い物は出す!水筒も自分であけてキッチンに置く!」
「脱いだ服を洗濯物の山と一緒にしない!」

次男には、
「はやくご飯たべて」
「はやくご飯たべて」
「はやくご飯たべて」
「返事!」
「返事!」
「返事!」

三男には、
「あーー!」(←ものを盛大に散らかしているのを発見したときの悲鳴)

特に次男は、のんびりしていてマイペース。
話に夢中になってご飯食べるのが遅くなり、食べてるうちに別のことが気になってそっちに意識がいってモグモグがとまったりすることが毎日。
「話を聞く」とか集中しなければならないときでも、別のことが気になって聞いてないこともしょっちゅう。
ことばもまだまだ幼いし、上手に説明できないことが多い。

最近、その次男が、自己肯定感低めの発言をすることが増えてきていて、母は心配なのです。

これからの時代、もっとも育てたいのは、
・楽観主義(オプティミズム)
・回復力(レジリエンス)
です。
この本にも冒頭で書いてましたヨ。
そのひとつ、「楽観主義」部分がすでに危うい!!
ということで、ワラにもすがる思いで購入にいたったわけです。

みんな同じなんだなー

著者のリー・ウォーターズさんも子育て中のお母さん。
著者の子育て事例や、多くの親たちの子育ての悩みも、この本にはたくさん書かれています。
読んで思いましたよ。
「みんな一緒だわーー」と。

著者も、息子さんが自転車を所定の場所に置かないことが気になって、毎日毎日注意していたそうです。
ある日、帰宅したらいつものように息子の自転車がきちんと片付いておらず、ハラがたってしまい、息子さんがニコニコと「おかえり」をしにきたのに、「ただいま」も言わずに、頭ごなしに自転車の置き方で注意してしまったそうです。で、それを後悔したと。

このエピソードが、うちとおんなじじゃーーん!!と。
ポジティブ心理学の大家だって、日常のなかでそういっつもポジティブにばっかりはいられないワケで、そういう
「立派な人も悩みは私とおんなじなんだなー」
っていうのを知って、少し安心。

そう、専門家だって、ポジティブな子育てをするのは難しいもんなんです。

ネガティブに注目してしまう4つの思考プロセス

人がネガティブなことに注目してしまうのは、性格が悪いからではなく、生存上必要だからです。
人はなぜ、ネガティブに注目してしまうのか。4つの思考プロセスがあるそうです。

1)「選択的注意」 特定の対象にのみ注目する
人の脳は、あることが気になると、そのほかの対象には目を向けなくなる「選択的注意」という状態になるそうです。
つまり、自転車やランドセルのことが気になると、別のことに気付きにくくなるってことです。
(まんま、経験してるわ、この思考。)

2)「ネガティブバイアス(偏向)」 マイナス情報を重視する
人の脳はポジティブよりネガティブな情報を記憶しやすいんだそうです。しかも、自分が自覚する前の瞬間的なところで、ネガティブバイアスがかかるらしいです。
子育てしていて、子どものできるところより、できないところに目が行くのもネガティブバイアスなんだそうで、それは歪んだ現実なんだって。
(これも、もうほんと、そのとおりですわ。。。)

3)「投影」 自分のネガティブなイメージを投影する
人は受け入れがたい自己の特徴や欠点を、他の誰かの特徴や欠点として、無意識のうちに押し付けてしまうんだそうです。
「集中してご飯食べなさい」って叱ってるけど、ご飯中にスマホ見て集中できていない私の欠点を次男に押し付けていると…。 
(あーーー、ホント、ごめんなさい。)

4)「二元思考」 白か黒か
「白か黒か」「善か悪か」「プラスかマイナスか」と極端な思考になってしまうことだそうです。「あの子はしっかり者だ」「この子は人の話を聞けない子だ」と決めつけて、ひとつのカテゴリーにまとめてしまう考え方。
普段はしっかり者でも疲れていればウッカリもするし、聞いていないようで実は聞いてたりする。人はグレーなところだらけだよと。

この4つの思考プロセスがあるので、親は我が子のことをちゃんと見れてないんですって。
はい。本当に、そのとおりです…。

自分でも身に覚えがあることばかりなんですが、私が特別できていないとかいうことではなくて(笑)、人は誰しもこういう思考に陥りやすいってことです。
ナチュラルにしているとこういう考え方になると。
だから、この4要素を覚えておけば、自分(人間)の脳のクセを意識できるし、
「ちょ、待てよ(キムタク風)」
と、ネガティブな視点になりがちなところでストップをかけることができるんだそうです。そこでストップをかけて、脳の「強み」スイッチをONにする。それが、「ストレングス・スイッチ」なんです。

「強み」の3要素

「強み」を見つけるのに大切な3要素があります。我が子の強みを発見するときには、その3つがそろっているかどうかを確かめるのが良いそうです。

1.得意(上手にこなせる)
2.熱意(楽しんで行う)
3.頻度(積極的に行う)

これ、わかりやすい。
子どももそうだけど、自分の強みを見つけるのにもすごくわかりやすい。
長男はわかりやすくて、この3要素が満たされてるのは「バスケ」なんですよ。
次男は…なんだろう…。「走る」…?「立ち幅跳び」…「ゲーム実況鑑賞」…?

私は…なんだろう…。
私は……なんだろう…。
文章を書くこと?本を読むこと?
(子育てのために読んだはずがいつのまにか自分探しに…。)

とにかく。
この3要素は本当にわかりやすい。
次男、三男、自分の強みを探していくときに、この3要素を手掛かりにできそう。
ありがたい情報です。

「強み」を見つけ、元気付ける人になりたい

30代は、自分が中途半端に思えて、悶々と悩んでいました。
今回の育休中に「ストレングスファインダー」で強み診断をやり、また、この「ストレングススイッチ」を読んだことで、自分自身もすごく励まされ、今後の仕事や自分の働き方、子育てにもすごくいい影響を及ぼしそうだな~と感じています。
自分の強みがわかったんだし、「どうせできない」とか「今からじゃ無理じゃないか」とか思わず、強みをとことん生かせる環境になるようにあがいてみたほうが楽しいな、と勇気をもらえた感じ。

で、これを読んで気付いたことがありました。
私は、強みを見つけ、元気付ける人になりたいんじゃないか、と。

私の強みは「ポジティブ」「社交性」「コミュニケーション」「適応性」「学習欲」。
なんとなく明るい雰囲気が好き。
人とラフにおしゃべりするのが好き。
わかりやすく説明したい。

読んでる本はポジティブ心理学。
こういう本を好み、知りたいと思って自ら読んでいる。

私は、この「ポジティブ心理学」とか「強みを生かす」ということをもっと極めてみたい。

私は、自分自身も自分に自信を持ててハッピーになり、私の近くにいる人たちも自分自身に自信を持ててハッピーになってほしい。
そうして、たのしくごきげんに暮らしたい。
自分に自信を持てるようになるには、「強み」を知り、自分でそれを磨くことが一番なんじゃないかな、と思うんです。
で、そうなるように一緒におしゃべりしながら探したいな、と。

サイボウズの社長、青野は「石垣を作るように人を生かす」ということを言っていました。
ですが、石垣の石たちも、実は、自分がどんな形の石なのかわかっていないことが多いし、石垣を組み上げていく人も、自分自身や手持ちの石がどんな形なのかわかっていないことがほとんどなんじゃないかな、と思います。

研磨されて同じかたちに整えられて並べられる石垣じゃなく、ゴツゴツしてそれぞれいびつなかたちの石が集まって、絶妙なバランスできれいな石垣になるような、そういう石垣を作りたい。

今の自分の仕事とは全然関係ない分野だし、前提知識があるわけでもないんだけど、興味のある方向に少しでも近づけるよう、まずは宣言。
復帰したら、そういう仕事が少しずつでもできないか、チャレンジをしてみようと思います。

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