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栽培植物のリスト 「小豆」の歴史

さて、月末に引っ越しがありまして、バタバタとしておりました。
まだ部屋は散らかっていますが、仕事場と寝床だけは確保。投稿再開です。

今回は小豆について取り上げたいと思います。
夏と言えばアイス。アイスと言えば井村屋さんのあずきバー。
既に50年の歴史を誇るロングセラー商品で、その硬さでも有名ですね。一説にはサファイアを越えるとか。

Wikipediaより

また、和菓子でも多用されるので、日本では特に馴染みがある豆類と言えるでしょう。そんな小豆の歴史について。

小豆はどこで生まれたのか

小豆の原産地ですが、日本でなじみ深い豆類であることからもお察し。東アジアと言われています。日本には縄文時代に大陸から渡来したとも、日本原産種があるともされ、最古の栽培植物の一つです。

日本で育つ小豆

ところが、大陸では栽培植物としてあまりメジャーにならず、日本では逆に盛んに栽培されるようになりました。大陸では、同じ東アジア原産の大豆の方が主に栽培されています。これは、大豆の方が採油作物などとしても用途が広いことが原因と思われます。

日本での小豆の用途は、食用にとどまらず少々変わった分野にまで及びます。例えば楽器や玩具の材料、さらに神事にも用いられていました。他に、ハレの日に赤飯を炊く習慣などもありますね。
これは、赤色が神聖な色として呪術的に特別な力を持つと考えられていたことにも由来するとされます。

また、豆を甘く味付けする食習慣も日本独自で、平安時代ごろに「甘葛(あまづら)」というツタの樹液を煮詰めた甘味料を用いて甘く煮るようになったのがその発祥と言われています。
その後、砂糖が伝来し、砂糖で煮る甘い「あんこ」が生まれました(元々のあんこは甘くなかった)。

今でも日本が小豆のメッカ


このように日本で独自の進化?を遂げてきた小豆。やはり現在でも日本で多く生産されています。アジアを除く海外での生産の多くは、日本から持ち込まれ、対日輸出用に始まったものです。

ちなみに、海外の人でもアズキ(あんこ)はかなり好き嫌いが分かれるようです。 そもそも「甘い豆」という食習慣がないからでしょうか。

というわけで、小豆は古くから日本で育った食材。私も大好きです。その文化、大切に育てていきたいですね。

赤飯の豆知識

関東地方では赤飯の豆にササゲが使われることが多いのですが、これは小豆は調理過程で割れやすく、それを「切腹」として嫌ったからだとか。武士の都鎌倉を擁する関東らしい話ですね。
ちなみに、ササゲはアフリカ原産で、9世紀頃に日本に伝来しました。漢字では「大角豆」と書きます。小豆に比べて皮が硬いため、割れづらいのが関東式赤飯に使われる理由だそうです。

また、日本で栽培される大豆の多くは北海道産ですが、皮が柔らかいため荷崩れしやすい特徴があります。
一方で京都近郊で栽培される「大納言」と呼ばれる品種は、大粒な上に荷崩れしづらく、和菓子作りで珍重される品種です。

というわけで、今回は小豆の歴史でした。
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