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7.22三冠戦 青柳優馬vs大森北斗〜横綱が伝えた悔しさの重要性〜

7.2で三冠統一ヘビー級のベルトを永田裕志から奪還した青柳優馬。彼の初防衛戦の相手は「同い年の後輩」である大森北斗となりました。王者青柳優馬、挑戦者大森北斗がともに生え抜き20代同士という三冠戦。今年の全日本プロレスにとっては2月の八王子以来の所属同士の試合ということもあり、個人的にも注目していた試合でした。

この試合の内容を率直に伝えるのならば?「若き横綱青柳優馬が堂々たる試合をして挑戦者大森北斗を退けた」という言葉に尽きます。これまでの三冠戦と異なり王者という立場でこの試合を迎えた青柳優馬でしたが、しっかりと大森北斗の攻撃を正面から受けきりました。これは初防衛戦であっても三冠戦よ経験自体は豊富であったことも影響しているやもしれません。挑戦者として自分が対峙したこれまでの王者のように「逃げずに受け切る試合」を青柳優馬は実践していました。

では大森北斗が青柳優馬に完全に引っ張られたのか?それもまた異なるとぼくは思います。これまでの黒から赤のコスチュームに変えて登場したという視覚的な要素だけではなく。前哨戦から「打撃で相手をKOする」という新しいイメージを観客に与え。さらには試合でもエプロンからの無想一閃を放つなど。大森北斗として己の殻を破ろうとする意思をぼくは強く感じました。特に打撃をフォーカスしようとした発想は、「サイズで劣る己が多型ヘビーを相手にするには?」という中で論理にも沿ったモノだと思います。

ただ大森北斗に不足したものがあるとすれば?それは経験値だったとぼくは感じました。三冠戦という独特の空気。これまでの他のシングルマッチ以上の試合を要求される責任感。そして何よりも負けたときの悔しさ。青柳優馬が数多くの感じた悔しさを。大森北斗は知らなかった。そこは大きかったと思います。あの激しさを知るから耐えられる。あの悔しさを知るから立ち上がる。それはやはり経験した者にしかわからないことでしょう。青柳優馬が受け切る余力があったこともそうした経験ゆえなのかもしれません。

試合後に青柳優馬が「悔しいだろ?また挑戦してこい!」と発したのは誰よりもそうした悔しさを知るから。たくさん悔しさを知って強くなれ!という意図。そして横綱としての覚悟なのでしょう。

さて若き横綱として堂々と挑戦者を退けた青柳優馬。彼の前にそびえ立つのは全日本プロレス強さの象徴。大横綱諏訪魔でした。若き日の青柳優馬に数々の悔しさを与えた選手の一人。それは諏訪魔でしょう。VMではない諏訪魔として挑戦を宣言したからこそ。真っ向勝負は必然でしょう。その大横綱を退けて全日本プロレスの象徴の座を青柳優馬が手にするのか?決戦は8.6幕張だ!

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