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FBIが議事堂襲撃での逮捕者を明かすも、案の定テロや国家転覆とは違うベクトルの雑多な集団だった模様

「1月6日」に起きた議会襲撃事件について、客観的的に報じる記事が配信され始めた。
既に10日が過ぎて「ようやく」だ。
ただ、それがイギリスのBBC発という点に、アメリカメディアの抱える問題が浮き彫りになっていると言っていい。そもそもCNNやWPは迅速に正確な情報を国民へ伝えるという基本を放棄しているのかもしれない。情けない限りだ。
今日は、このBBCの記事から話を始めてみたい。

★FBIが議会襲撃での逮捕者を明かす★
予想の通り、襲撃に関わった者がトランプ支持者だANTIFAだ、で統一されているわけではなかった。容疑者は数百人、逮捕者は100人超にのぼるという。


米議会襲撃、FBIがこれまでに逮捕した人々(1)
1/16(土) 10:06配信 BBC News
米ウエストヴァージニア州の議員、フロリダ州の消防士、ユタ州の左翼活動家……。米連邦議事堂襲撃事件の容疑者はさまざまだ。6日の事件発生から約1週間が過ぎ、捜査当局が関与した疑いのある人々の特定と逮捕を進めている。
連邦捜査局(FBI)によると、新たに200人ほどの容疑者を特定し、100人以上が逮捕された。
首都ワシントンのマイケル・シャーウィン連邦検事は、扇動や共同謀議が関係する「深刻な重罪」について調べていると述べた。
南北戦争時代の南部連合旗を持って議事堂に侵入したとみられる男性も14日、デラウェア州で逮捕された。旗を持った男性の写真は、ソーシャルメディアで急速に拡散されていた。
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当局は男性をケヴィン・シーフリード容疑者と特定。同容疑者は息子ハンター容疑者とともに、デラウェア州ウィルミントンの裁判所に出頭した。親子は、入場が制限された建物への侵入や、秩序を乱す行動をした疑い。
他方、議事堂内で自身の動画を撮影し、ツイッターに投稿した左翼活動家ジョン・サリヴァン容疑者(26)も逮捕された。入場が制限された建物への侵入や、秩序を乱す行動をした容疑などがかけられている。
同容疑者はメディアに対し、暴動を「記録する」目的で暴徒と共にいただけだと説明。ただ、同容疑者の宣誓供述書によると、記者証は所持していないという。
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同容疑者はメディアの取材に、自分はBlack Lives Matter(黒人の命も大事)運動の支持者だと主張する一方、極左集団アンティファとは無関係だとした。
司法省は10日、体を拘束するプラスチック製の道具を上院の議場に持ち込んだとみられる男性2人を逮捕したと発表した。2人とも写真に撮影されていた。
同省によると、多数のプラスチック製のひもを持っていたエリック・ギャヴァレク・マンチェル容疑者はテネシー州で、警察が使用するプラスチック製の手錠を持っていたラリー・レンデル・ブロック容疑者はテキサス州で、それぞれ逮捕した。秩序を乱す行動をした疑いなどがあるという。
ブロック容疑者については、元妻が写真を見て通報した。
FBIはまだ数十人の氏名や居場所の特定を進めており、広く情報提供を呼びかけている。
また司法省によると、11日までに約14万点の動画や写真が一般から提供されたという。
司法省は、扇動的共同謀議に関わったとみられる人物を訴追する意向を示している。連邦刑法では、米政府の転覆を謀る行為が扇動的共同謀議にあたるとされ、最長で禁錮20年という厳しい刑罰の対象となる犯罪とされている。
オハイオ、ミネソタ、ケンタッキーなどの州の連邦検事らは、暴動に加わった州民を訴追する方針を明らかにしている。
■訴追された主な人物
ジェイク・アンジェリ被告(Qシャーマン)
本名はジェイコブ・アンソニー・チャンスリーで、「Qシャーマン」を自称。陰謀論「Qアノン」の有名な信奉者で、アリゾナ州グランデール在住。33歳。
Qアノンは、「世界の政財界やマスコミにはびこる加害者に対し、トランプ大統領は秘密の戦争を繰り広げている」というのが主な内容。
角と熊の毛皮のかぶりものを着け、赤白青のフェイス・ペイントをし、上半身裸で茶色いズボンという姿で連邦議会議事堂に入る姿がメディアで報じられた。秩序を乱す行動をした疑いなどがかけられている。
ABCニュースによると、チャンスリー被告は刑務所で支給された食べ物を拒否。その後、判事が「チャンスリー被告が求めている厳格なオーガニック食を供給すべき」と認めた。
チャンスリー被告は弁護士を通じ、暴動中に「平和的で規則に則した行動を取っていた」として、トランプ大統領からの恩赦を求めている。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/0f27d7aa41a6daddc8cc537e8846a8674ffd5801

米議会襲撃、FBIがこれまでに逮捕した人々(2)
ダグ・ジェンセン被告(Qアノン)
議事堂内でアフリカ系アメリカ人の警官が1人で暴徒に対峙し、上院本会議場の入り口と反対方向へ誘導したように見える映像が、広く拡散され、警官が称賛されている。この動画で、「Qアノン」のシンボルが描かれたTシャツを着て、侵入者集団の先頭にいるのがアイオワ州デモイン在住、41歳のダグ・ジェンセン被告だ。
動画には、被告が警官を追い立てる様子が記録されている。警察の公務執行の妨害など、5つの罪状で起訴された。
ニック・オクス被告(プラウドボーイズ)
首都ワシントンから自宅のあるハワイ州に戻ったところを、ホノルルの空港で逮捕された。
議事堂内でたばこを吸っている自身の写真をツイッターに投稿していた。不法侵入などの罪状で起訴された。
プラウドボーイズは、反移民を掲げる男性だけの極右団体。2016年に設立された。昨年の大統領選の候補者テレビ討論会では、トランプ氏が「プラウドボーイズ、引き下がって待機せよ」と呼びかけて話題になった。
リチャード・バーネット被告
ナンシー・ペロシ下院議長の執務室で、机に足をのせて座る写真が撮影されていた。執務室から持ち出した封筒を手にしている場面も、議事堂の外で写真に撮られていた。
不法侵入や窃盗などの罪に問われている。アーカンソー州出身、60歳。地元メディアは、銃の所持権を支持する団体に関わっており、トランプ氏が立証されていない選挙不正を訴えた「盗みを止めろ」集会に参加していたと伝えている。
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デリック・エヴァンス被告
ウエストヴァージニア州の州議会議員(共和党)。就任から1カ月もたっていない。
自転車用とみられるヘルメットをかぶって議事堂になだれ込み、その模様を自撮りした。フェイスブックのライブストリームでは、「私たちは入るところだ」、「やった!  デリック・エヴァンスは議事堂に入った!」などと述べていた(のちに削除)。
州議会は同容疑者の除名の検討を開始。同容疑者は辞任を表明した。不法侵入などの容疑がかけられている。
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警官から盗んだ疑いの装備や毛皮などを身につけて議事堂内で撮影された、34歳男性も逮捕された。このアーロン・モストフスキー容疑者は、ニューヨーク・ブルックリンの郡裁判所判事の息子という。
「ナンシー・ペロシのオフィスのドアを突破した」と話すビデオを投稿したとされる、テキサス州の生花店経営者も逮捕された。この女性はかつて、同州ミッドランド市長に立候補していた。
アメリカ代表水泳チームの1人として2度にわたりオリンピックで金メダルを得たクリート・ケラー容疑者は、五輪代表チームのジャケットを着て議会に乱入した様子が撮影されていた。
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こういう記事がもっと早い段階で配信されていれば、事件の全容もはっきっり見えたのに、と地団駄を踏んでいる。
こっちは被害者、あっちが加害者、という切り口だけで右も左もぎゃーぎゃー騒いでいただけで、きちんと知りたいという人間だけが右往左往させられていたとか、今更ながらふざけんな!という感じだ。

まぁ、悪態は別のSNSで個人的につくとして、BBCの記事で興味深いのは、逮捕者が単に騒ぎたいから騒ぎにいった、的な雰囲気しかしない点だ。テロだ、政府転覆だ、といった強い政治色があるわけでもなく、が「1月6日」の特徴なのかもしれない。

特筆すべきはウェストバージニア州の州議会議員であるデリック・エヴァンスで、共和党に所属しているのでトランプ応援の為に暴れるつもりだったのかと思いきや、スマホで議事堂へ侵入する姿をレポートしながら自撮りしていたとか、まぁ軽いこと軽いことw
しかもこの議員、当選したばかりでいきなり逮捕されているという「迷惑youuberへずまりゅう」的な臭いしかしない奴なのだが、この見方で正解なのだろうか?w

何にしても、逮捕者の陣容を見れば共和党支持も民主党支持もない、そういう色分けさえできないことがよくわかる。やらかした犯罪はショッキングなものだが、動機にしろ背景にしろあやふやでふにゃふにゃなケースばかりだ。
なので、なんとなくだが、例えば新型コロナウイルス禍で行動を制限されて「むしゃくしゃした気分」を発散させる為に、ワシントンD.C.くんだりまで行ってみた、という感じさえする。
昨日お伝えしたニュースでは、侵入者は手錠を持っていたので、議員の拘束や連れ去り、立てこもりまで画策していたのでは?といったテロリストっぽい部分を強調してみたものの、このBBCの記事を見て拍子抜けしてしまったわけだ。

唯一の収穫としては、Qアノンはトランプを支持する集団ではない、という点だ。
陰謀論が大好きで、それが展開できれば大統領はトランプでなくてもかまわない、そういうスタンスだということがこの記事からも伝わってくる。
もしトランプ至上主義なら、民主党やその支持者へ向かって、破壊活動なり火をつけたり、といった「もっと強烈なメッセージ」を議事堂内で繰り広げていたはずだ。
バイデンが大統領になってしまえば、もう「1月6日」のようなチャンスは巡ってこない、いわば「負けられない戦い」だったはずが、まさに「うぇーい!」とやっただけで逮捕終了?さすがにそれでは暴動上等の危険な野郎ども、という左メディアの論調には合致しない。

まぁ、何にしても今後のことを考えれば、トランプもどこかのカタイミングでQアノンは自分とは無関係と話すことになるように思う。つきまとわれても、トランプには何もプラスがないものねぇ。

★【陰謀論注意】~19日の武装デモは中国が煽動か?★
逮捕者の様子を見る限り、どうにも熱を感じられない状況でありながら、焚きつけるようなビラがワシントンD.C.で撒かれているらしい。
そのデザインから、煽動しているのは中国なのではないか?という声が出ている。
まず「Ayaka N Gardner 」氏のツィートをご覧いただきたい。


Ayaka N Gardner
@AyakaGardner

就任式前の武装抗議行動には
参加しないでください。
左翼が仕組んだ可能性が高いのです。
今の所は抗議デモは予定されていません。
もし見かけましたらきちんと出所を確認してください。
https://twitter.com/AyakaGardner/status/1348752122439892992


更に「Robert Patrick Lewis」氏の撒かれたビラに注意せよ、という気になるツィートだ。


Robert Patrick Lewis
@RobertPLewis

Notice the colors, font and language.
This was not made by a conservative group.
Someone’s planning a massive false flag event.
(色、フォント、言語に注目してください。
これは保守的なグループによって作られたものではありません。
誰かが大規模な偽フラグイベントを計画しています。
https://twitter.com/RobertPLewis/status/1348738033462484993


正直なところ、このビラはアメリカのものっぽくない感じしかしない。
それ以上に古臭いというか、大昔にどこかで見たような印象しかしない。おいらは、なぜかチャウシェスクの顔とかを思い出したほどだ。
更に言えば、配色がまんま中国国旗のアレだ。

つまり、そういうことなのか?から陰謀論へつながっていきそうなのだな。

シアトルのテロ未遂も、初見では中国の息がかかったものなのか?とぼんやり思ったが、このビラはもっとストレートだ。だから、逆にそう思わせようという魂胆が垣間見えるようにも感じる。

まぁ、とにかく、あれもこれも、断片的な情報しか流れてこないことに結局は原因がある。だが、少なくともQアノンがああいう状況なら、こんなビラを撒くほどの入れ込みもなかろう、と誰もが思うのではないだろうか。もうね、よくわかりませんw

ただ、舞台になるワシントンD.C.の物々しさは青天井という感じのようだ。
何しろ、集められている州兵の数が2万5千だ、いや3万5千だ、と時間の経過と共に膨らんでいるようで、こんな厳戒態勢の中で武装デモなどやろうものなら、集まる以前に一網打尽とされることは確実だ。
それでも、軍隊対デモ隊という構図で更なる混乱をビラを撒いている奴は起こしたいということなのだろうか?

心配なのは、現場では既にこういう逮捕者が出ているという点だ。
AFPの記事になる。


米連邦議会近くの検問所で武器持った男を逮捕
1/17(日) 9:07配信 AFP=時事
【AFP=時事】米首都ワシントンで15日夕、ジョー・バイデン(Joe Biden)次期大統領の就任行事が20日に行われる立ち入り制限区域に武器を持って入ろうとした男が、連邦議会近くに設置された検問所で逮捕されていたことが分かった。
裁判所の文書によると、逮捕されたのはバージニア州のウェスリー・アレン・ビーラー(Wesley Allen Beeler)容疑者。車で検問所に来て、偽の証明書を提示した。
ビーラー容疑者は車内に拳銃があることを認め、治安要員らが調べたところ弾丸が装填された拳銃1丁、実弾500発以上、散弾銃の弾丸と弾倉が見つかり、未登録の銃器と違法な弾薬を所持していた容疑で逮捕された。
今月6日にドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の支持者らが連邦議会に乱入し、警察官1人を含む5人が死亡した事態を受けて、ワシントンはバイデン氏の就任式を前に厳しい警戒態勢が取られている。
・・・
https://news.yahoo.co.jp/articles/8eb689308453228fb4359b84c531d754d5689e0b


いやぁ、チャレンジャーというべきか、わざわざ逮捕されにいったのか、というべきか・・・。これがビラで煽られてイキった結果でなければいいのだが・・・。

★福岡でトランプ応援デモ★
アメリカには直接関係のない話だが、福岡で500人ほどが集まるトランプ応援デモが開催されたそうだ。
なんというか、殺伐としたワシントンD.C.の画像を見てばかりいる中、ハリボテのトランプ像が妙にかわいくて、思わず笑ってしまった。実に楽しそうで、うらやましい限り。
くれぐれも新型コロナウイルスには気を付けて、ということで最後に「トランプ米大統領再選支持集会・デモ実行委員会」のツィートを紹介したい。


トランプ米大統領再選支持集会・デモ実行委員会
@PreTrumpVictory

間もなく出発です!
500人ほど参加との事です。
大きなトランプのおみこし?も見えます!頑張ってください!
https://twitter.com/PreTrumpVictory/status/1350668585614495747

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