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童話『もりのへなそうる』あこがれのお弁当

子供の世界に住んでいる人が書いているのではないかと思うほど、登場人物の行動や発言が、実在の子供そのものの作品と出会うことがあります。

『エルマーの冒険』や『どろんこハリー』も訳しているわたなべしげおさんの『もりのへなそうる』も読むたびにそう感じる作品です。

てつたくんとみつやくんの兄弟が、森で見つけた大きな卵から生まれた“へなそうる”と遊んだり、探検する様子を描いた作品で、特に登場人物と同じ年頃の時に子供達が何度も本棚から選んで来た童話です。

私が特に好きだったのは、てつたくんとみつやくんのお母さん。とてもおおらかで優しく、探検の都度、サンドイッチやおにぎり、チューインガムといったちょっとしたおやつを持たせてあげるところがなお素敵。

サンドイッチといっても、ただのサンドイッチではなくて、いちごとハチミツのサンドイッチだったり、軽く炙ったたらこのおにぎりだったりと、簡単だけどひと工夫あって、とても美味しそうなのです。

お話に笑い転げる子供達のかたわらで、ひそかに、このような気の利いたお弁当を作れる“お母さん”に憧れていました。

もう一つ、ぜひ食べてみたいお弁当は、ぐりとぐらの作るお弁当です。ぐりとぐらは色々な作品でよくピクニックに出かけ、そのたび美味しそうなお弁当を持参します。

中でも私が特に惹かれるのは、 『ぐりとぐらとくるりくら』に出て来るサンドイッチとサラダが豪華で、春の香りでいっぱいで、憧れです。

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