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2019年1月前半の気になる【映画】


「映画館で観られている映画は、日本で一人当たり年間平均2本」

と、前にインタビューで『世界の中心で愛を叫ぶ』などのプロデューサーから伺ったことがあります。まぁ、映画好きな人は毎日でも映画館にいるけど、最近は映画館に行かない人も多いだろうなぁとは思うから、全世代を対象とすると日本人平均年2本はわからなくもない。(もうちょっと多いんじゃないかなーとは思いたいですけど)

わたしもこれまで仕事の合間に時間ができたら映画を観てはいたけれども、うーん、月平均にすると4本くらいかも。来年はもっと気合いいれて観ようーと思って公開予定映画を調べていたら、もう、気になる映画の公開が相次いでて念入りに調べてしまった。『1月公開映画』でもまとめようと思ったのに、1月前半だけでいっぱい気になる!こんなに映画ってあるのね!
ああ、予感としては、2018年よりも豊作かも!?

<気になる1月前半公開映画:9作+α>
※公開順、であげてみました

【1月4日公開】 1作

『ホイットニー ~オールウェイズ・ラヴ・ユー~』 (英)

映画『ボディガード』でも有名なアメリカの歌姫ホイットニー・ヒューストンのドキュメンタリー。輝かしい栄光の一方で波瀾万丈な人生。48歳でコカイン摂取の心臓発作で亡くなってしまった時は、彼女を守ってくれるボディガードはいなかったの…?と何人が涙したでしょう。監督は『ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実』で第72回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞したケヴィン・マクドナルド。家族、元夫のボビー・ブラウンや『ボディガード』で彼女と共演したケヴィン・コスナーらが出演。彼女の人生の断片や結末を、誰もが知っているのにいろんな角度から追体験するというドキュメンタリーだからこその、仕事仲間やファンやお客さんの愛の時間があると、信じたい。(120分)

【1月5日公開】4作

『22年目の記憶』(韓国)

やたら韓国内の映画賞を受賞している作品なんですが、2014年公開。日本では2019年にやっと上映されます。あらすじが、もう、なんとも言えなくて……1972年に南北共同声明が発表され統一ムードに沸く韓国。初の南北首脳会談に向け北朝鮮の最高指導者・金日成の代役オーディションが秘密裏に開催され、売れない役者のソングン(ソル・ギョング)は合格。「完璧な金日成(キムイルソン)になってください」。まっとうするがため、ソングンはいつしか「自分は金日成だ」と思い込むようになっていく。そして22年後、ソングンと息子のテシク(パク・ヘイル)は一緒に暮らすことになった……。うおお、なにこの設定。日韓関係が頻繁にニュースでも取り上げられる昨今、ちゃんと観たい一作。ちなみにこれ、英語ver.のタイトルは『My Dictator(独裁者)』ってのがまたいろいろ想像させますね……(128分)

『迫り来る嵐』(中国)

2017年に公開され、「第30回東京国際映画祭」で最優秀男優賞と最優秀芸術貢献賞を受賞。監督は初の長編映画監督作品となるドン・ユエ。
舞台は1997年の中国。小さな町の製鋼所で警備員をしているユィ(ドアン・イーホン)は、若い女性ばかり狙われている連続猟奇殺人事件に興味を抱き、自分で犯人を捕まえようとする。けれどある日、ユィは犠牲者が恋人のイェンズ(ジャン・イーイェン)に似ていることに気づいて……って、おまえなにしとんじゃーい!という展開。けっこう王道サスペンスっぽい。気持ちを逸らせる音楽と、暗い映像が良い。(119分)

NTL『ハムレット』(英国)

ロンドンのロイヤル・ナショナル・シアターが行っているNTL(ナショナル・シアター・ライブ)。衛星中継で、厳選の舞台を世界中で上映するもの。『ハムレット』はベネディクト・カンバーバッチ主演で、シネ・リーブル池袋で再上映。実は、わたし、カンバーバッチさんこの世界的人気にもかかわらずピンときてなかったんですけれど、こここここここここれはかっっっっっっっっっこいいいいいいい!!!!!!とノックアウトされた1作。べつにハムレットがかっこいいっていうよりも、背が高くて身体能力が高くいカンバーバッチの魅力が舞台だと際立ったんですよね……。『ハムレット』作品の演出としても、ステージの使い方がおもしろくて、全体のくすんだ雰囲気はイギリスらしくて美しかったです。ちなみに2018年年末には同映画館でカンバーバッチのNTL『フランケンシュタイン』を博士ver.怪物ver.それぞれ上映しているのでとっても楽しみ!(207分)

NTL『夜中に犬に起こった奇妙な事件』(英国)

これも同じく舞台を上映するNTL(ナショナル・シアター・ライブ)。2013年オリヴィエ賞主要7部門受賞というのも納得の名作だと思います。衝撃だった!!!!自閉症の少年の脳内を、少ない舞台装置と目まぐるしい映像で見せる。観客の想像力をこれでもかと引き出す、映像と人間の融合。そして少年役ルーク・トレッダウェイの演技!日本では森田剛さんが演じて舞台上演されましたね。NTLにハマったきっかけの作品です。(171分)

【1月11日公開】 1作

『世界でいちばん悲しいオーディション』(日本)

「ありのままの自分でいいなんていっさいないから」。
厳しい大人たちの言葉。もみくちゃに泣き、踏ん張る少女達。ただ、アイドルになりたくて……。BiSHやBiSの所属事務所「WACK」主催のオーディションに密着したドキュメンタリーの第3弾です。アイドルを目指す24人の少女たちが長崎県の壱岐島で行われた6泊7日24時間生配信のオーディションに参加し、過酷な試練に立ち向かう姿を追いました。監督を『遭難フリーター』などの岩淵弘樹さんが務めました。撮影がAV監督バクシーシ山下さんで、山下さんは『BiSキャノンボール』(いろんな意味でえっぐいAV監督vsアイドルのドキュメンタリー映画)にも出演してたからきっとわかってカメラを構えてるんですよね。その視点も気になる。(98分)

【1月12日公開】 3作

『ゴールデンスランバー』(韓国)

伊坂幸太郎のベストセラー小説で、2010年に堺雅人さん主演で映画化された『ゴールデンスランバー』の韓国版。主人公を演じるカン・ドンウォンが、わざとなのかめちゃ堺雅人さんに似ているショットばかり広告で使われてる(笑)日本版映画となにが違うのか気になるなあ。劇団キャラメルボックスが2016年に舞台化してましたけれど、それはまた舞台らしい演出方法だったし、やっぱり、映画同士での違いは気になりますね!
ざっとしたあらすじは、国家の陰謀に巻き込まれて暗殺犯に仕立て上げられたフツーの宅配ドライバーの逃走劇。余談ですけどマイベスト・オブ・カン・ドンウォンは、ソン・ガンホと共演していた『義兄弟 SECRET REUNION』です。はー、男前ね……(108分)

『MOST BEAUTIFUL ISLAND モースト・ビューティフル・アイランド』(アメリカ)

もう、概要を知るだけでつらすぎるんですが……。主演女優アナ・アセンシオの実体験がもとになっていて、自ら監督・脚本もつとめています。
ニューヨークのマンハッタンを舞台に、貧乏な不法移民の女性が経験する悪夢を描いた心理スリラー。友人のロシア人女性からセクシーなドレスを着てパーティーに参加する高額報酬のアルバイトを紹介されたルシアナ(アナ・アセンシオ)は、指定された地下室へ。そこには、美しい外国人の女性ばかりが集まっており、一人ずつ奥の部屋に呼ばれる……。危険に晒された女性の不安。利己的でサディスティックなニューヨークのセレブたちの歪んだ欲望。そして、日本を含め世界がかかえる様々な問題と深く重なった本作は、世界中の映画祭で大絶賛されたそうです。ああ、予告を見るだけで、心臓が掬われそうです。(80分)

シネマ歌舞伎『楊貴妃』(日本)

世界一美しい68歳男性なんじゃないかと(わたしが勝手に)思っている坂東玉三郎さんの舞台の映像上演。作家・夢枕獏が書き下ろした舞踊劇です。世界三大美女とうたわれる楊貴妃が、死後、魂を呼び戻されて愛し合っていた皇帝との思い出を胸に、二枚扇を手に舞うのです。玉三郎さんの踊りをはじめてみた時は、口をあけたまま、天女を見ているのかと呆然としました。こちら、『シネマ歌舞伎 沓手鳥孤城落月』と同時上映です。

あといくつか目を引かれるものもありました。

『ドラゴン・タトゥーの女』の過去が明らかになる『蜘蛛の巣を払う女』(1/11公開)。舞台裏もインタビューもアリの『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2018 / 19/ロイヤル・オペラ 「ワルキューレ」』(1/11公開)。コリン・ファース!コリン・ファース!コリン・ファースが海で遭難するキャストアウェイ!?『喜望峰の風に乗せて』(1/11公開)、これは実話がもとだそうです。内容が気になる『未来を乗り換えた男』(1/12公開)は、ホロコーストの直前、ドイツから逃れてきた青年はある男に成りすますことに成功するが、その後出会って惹かれた女性は成りすました男の妻だった……という話。ナチスのユダヤ人迫害と難民問題を重ね合わせているそう。

前半だけで新作目白押し!なんですけど、それ以降もまたいろいろ怒濤の公開待ちみたいで、来年も楽しみですわー。

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