明日から
大学生。
それは、何者にもなれないもどかしさ、苦しさ、楽しさ、不安、希望。
社会人。
それは、
なんだろう。
新社会人となったわたしは明日から会社に通う。
モラトリアム期間に区切りをつけ、何者かにならなければならなくなったような気がした。
社会人になれば、何者かになれるのだろうか。
環境が変わるのは久しぶりな気がした。
大学に入学する時以来だろうか。バイトを始めた時以来だろうか。
それよりももっと大きな何かが、幼稚園に上がる時の全く別の世界で生きていくような、それくらい大きく環境や生活が変わる気がする。
環境が変わるのは怖い。
わたしは小心者だから。
明日が不安。
それでも今日は終わり、明日はやってくる。
何が不安なのか、どこが不安なのか、それすらわからないわたしの隣に誰かがいて欲しい。
けれど、物理的にわたしのそばにいてくれる人はいないから、音楽に寄り添ってもらう。
わたしだけに歌ってくれているようで、
わたしのことだけを考えていてくれているようで、
ただわたしはそれだけで幸せだった。
生きていれば大丈夫な気がした。
気がするだけかもしれない。
そうだとしても全然いい。
生きていれば、またこの歌声を聴くことができる。
そうすれば、わたしはまだ何にでもなれると思った。
新しい生活はこれから始まる。
大丈夫。
わたしなら。
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