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孤島のキルケ(完結済)

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【男を獣にする呪われた美女キルケと六十人目の『生贄』】  呪いにより過去の記憶を失い、孤島に一人寂しく暮らす妖女キルケ。島に漂着して一目惚れされた「私」は、男を獣に変える化け物と… もっと読む
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孤島のキルケ あらすじ

【男に狂う。男を惑わす。されど決して愛されぬ孤島の妖女】  ギリシア神話のキルケとバビロ…

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小説の加筆修正作業中です

こんばんは、モモチカケルです。いつも応援ありがとうございます。 さて、数日前から『六十人…

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『孤島のキルケ』(21)【完】

 船が大波にさらわれたのだと思ったが間違いだったらしい。 「何も心配は要らぬ。ワシはこう…

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『孤島のキルケ』(20)

「私は彼らの言葉が分からないのです。旦那さまが羨ましい」  きるけえはふらんそわを強く抱…

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『孤島のキルケ』(19)

「あっ、綺堂の兄いが抜け駆けしやがった。きるけえを生け捕るのは俺だ」 「億だ、億が掛かっ…

『孤島のキルケ』(17)

「地震は島全体で起こったのか。とむは、法主様は、皆は無事か」  私は、耳障りの悪いきつつ…

『孤島のキルケ』(18)

 屋敷の中に残らず入った男たちを見渡せる庭の木に止まった私は、壊れた大窓越しに屋敷を荒らす男たちを見ていた。  きるけえを下種な言葉を叫び挑発しながら探す男達と、食堂の棚と言う棚を引っかきまわして金目の物を漁る男達。  二種類に男達の行状はきっぱりと別れた。  女と金は、いつの時代の男にとっても欲して止まぬものらしい。  きつつきの体になり、女も金も用無しとなった私は、人間の男とはかくも滑稽な生き物であったのかと、彼らの行状にため息をつくばかりであった。 「あんた達、気に入

『孤島のキルケ』(15)

 ふらんそわを呼びに館へと戻り行くとむの姿が見えなくなると、海豚の顔をした男は空から取り…

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『六十人目~妖女キルケと男と獣たち』登場人物設定の覚書その二(第四十一話時点で前…

【黄金の毛並みの犬=フランソワ・ド・ブロアakaふらんそわ】 シャンパーニュから十字軍に参…

『孤島のキルケ』(16)

 ふらんそわが出て行った部屋にしばしの沈黙が訪れた。 「もうすぐ夜が明けるな」  洞窟の奥…

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『孤島のキルケ』(14)

「鏡が無い理由、ですか」  海豚の顔をした男は、大きく張り出した額から紫色の光を放射させ…

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『孤島のキルケ』(13)

 朝が握り飯だったせいか、経木を開くと見慣れぬ物体が鎮座していた。 「懐かしいな。お偉い…

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『孤島のキルケ』(12)

 口づけの先をせがむきるけえを制してくれた事で、とむへの借りがさらに増えた。  細い窓か…

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『孤島のキルケ』(11)

「二瓶様、午後の訓練は拙僧が担当いたします」  海豚の顔をした男の一声で、磯遊びをしていたとむはのんびりと岩場に寝そべった。 「チップが入ったので念動力回路が開きやすくなっているはずですから」  どうやら潜水艦を動かすのに必須の念動力回路とやらを開発する訓練を行うらしい。 「拙僧に続いて呪文を唱えらせませ。なるべく真似て」  真似ろと言うが、真似のしようもない。  どこから出ているのか分からないような高音域の早口で、しかも異国の言葉と来たものだ。 「天竺(インド)由来ですの