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あなたの信用信頼の口座残高はいくらか

やっぱり人間関係には、相手へのリスペクトとか誠意を見せるとかいう、仁義を切るムーブをしていないと、いつ足を掬われるかわからないという事例が出てきています。

相手に対して筋を通さず、立場の強弱による取引を続けることで、水面下に大きな歪みが生まれます。ここでいう歪みとは信用信頼残高がマイナスになっているということです。

どういうことかというと、顧客や従業員をハッピーにするという組織が存在する目的が達成されていないにも関わらず、目先の利益を得たりとりあえずの納期を守っていたりするために、代わりに信用信頼残高が目減りしていく、という現象です。

やがて、どのような形にしろ白日にさらされたときに、その歪みが正常状態に戻るために弾け飛びます。すなわち、信用信頼残高の返済を迫られるわけです。(なんでもかんでもどんな形にしろ白日のもとに晒すということを肯定しているわけではないのですが。)

昨今出てくる不正の数々は、組織ー従業員ー顧客という構造の中で、それぞれの関係性に歪みがある状態なのだろうと推察します。

これは、何も会社や組織だけの話ではなく、一般的な人間関係にも言える話です。どこか遠くの戦地で起こっているどこか遠いお話とは私には思えず、自分はちゃんと相手へのリスペクトを持って接することができているだろうかと胸に手を当てることが多くなっています。

大層なことを言っているわけではありません。期限を守るとか、返信をするとか、御礼をするとか、そういう社会人的に当たり前のことがちゃんとできない方の周囲の関係性は確実に歪みます。すなわち信用と信頼が確実に目減りして、やがて貯金が底を尽き、借金が膨らんでいきます。

当業界だけの話ではないのかもしれませんが、病院関係者の多くの方は信用信頼の借金を甘く見ていると思います。

それは患者さんという情報の非対称性が極大化している現場で働いているからか、専門性に特化しており技術で飯を食っている職業だからか、あるいは診療報酬という金銭での差別化ができない業界だからか、そのすべてかは分かりかねますが、特に人の命を預かりチームで医療しているのであれば、相手(患者さん、他職種者、同職種者、上司部下、同僚、先輩後輩等々)の感情を顧みない想像性に欠けた行動をするべきではないと思います。

この信用信頼残高の怖いところは、気づかない方はショートするまで気づかないということです。実際の銀行口座にあるお金は、ATMに行けば数字で表されていますし、借金がどれだけあるかも銀行からのお知らせでわかります。残念ながら、信用信頼残高の額面は可視化されません。

気づける人は、気を払っていれば周囲の方々の反応や風の噂で自分の信用信頼がプラスとなっているのか、マイナスになっているのかを感じ取ることができます。しかし、気づく人はおそらく信用信頼残高に気を払っている方であり、ショートするような方はやはりショートするまで気づかない、いや気付けないのだと思います。

私も人生経験が豊かではないので、信用信頼残高がゼロからマイナスになり、負債が膨らみ続けショートする方が、どのような形で返済を迫られることになっているのか想像もつきません。

だからこそ、自らの残高が目減りしないように、必死に手帳にメモをとり、スマホやPCにスケジューリングやリマインダーとり、一回一回の打ち合わせやお仕事に誠心誠意取り組んでいるつもりです。

ということで、あなたの信用信頼の口座残高はいくらでしょうか。

どんな医療従事者も信用信頼残高を目減りさせないように、誠意を持って、仁義を切って、粛々と患者さんや周囲の仲間のために仕事をしていきましょう。


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