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丁々発止みな必死 わたしたちはみんな庵野秀明

「ペンギン村に住みたいなー」
なんてフザケて言っていたことを盆踊りの爆音『アラレちゃん音頭』を耳にして思い出した。
きっとめっちゃ体力いるやろけど。
まずお日様に挨拶せなあかんしなあ。

あれは若い頃、夏、
書き屋仲間何人かでドライブに行ったとき。
帰りの車中のBGMがなぜか昭和アニメソングだった。
かけたのは先輩構成作家。
べっくらこいた、ほよよでホイ。
流れてきた御陽気な音頭に思わずつぶやいたら、
パイセンがしみじみとおっしゃった。
「わかる。俺も住みたい」
「住みたいですよね?」
「うん。でもあの村のお巡りさんにだけはなりたくない(笑)」
からの、運転するチーム2人をそっちのけで後部座席のわたしたちは盛り上がった。
 
「でもアニメの主人公になれるなら俺は絶対「あたる」」
言わずと知れた高橋留美子描く『うる星やつら』の主人公、諸星あたる。
言い切った。
「あたるは男の夢やで」
キモい。けどなんか素直でいい。笑ってしもた。

その後、まわり数名にこの話をしてみたがやはりラムちゃんに振り回されたいやつらは多かった。
「当たり前やろ、ラムちゃんやぞ?」
おまえら皆感電してしまえ。

一方、こんなことを言うやつらも居た。
「俺はいつでもガンダムに乗る準備は出来ている」
「俺はジブリの助演男優のポジションに入りたい」
「ラオウを倒したい」
「いくらでも泣くからドラえもん来てくれ」

どれもなんだか時代と歳を感じさせられ、哀愁すら漂う気がするが、マジだ、本気だ。
エヴァじゃないところが、世代ですね。
いや、わたしエヴァ世代なんですけど。
 
神田明神納涼祭りの中のアニソン盆踊りという存在を初めて知った。
数日前、SNSで超バズっていたのを観た。
『クックロビン音頭』
言わずと知れた魔夜峰央のギャグと耽美となにもかもが詰まった名作『パタリロ!』のギャグでありエンディングテーマであり、音頭。
言わせてくれ、大好きだ。
これを、櫓を囲んで皆が踊り狂うさまは、なんだか狂気の沙汰を越えて感慨深いものすら感じた。魅入った。
数日しばらく頭の中をエンドレスで流れていた。
っていうか、わたしもパソコン前で踊っていた。

https://youtu.be/re04VUlLHiQ?si=SV4zgmpjCb4ZpkRg

 
なにが流行るかわからない。なにがバズるかわからない。時代と共に。いや、一周回って、今になって。
 
気に入りすぎて何度も動画を観ていたら、
櫓の中心で踊る中で一番目を引く人がいた。
誰だこのニイチャンなんかちょっと巧いな、ちょっと他と違うな、とか思っていたら、旅芝居にもゆかりのある日舞の舞踊家・孝藤右近だった。
調べたら「盆踊り振付師」「盆踊り先生」としてもご活躍らしく、この企画の仕掛け人でもあるらしい。
 
なにが繋がるかわからない。一周回ってどこで思い出してどこで誰が何になるかわからない。

夏と夏の終わりと。
 
『クックロビン音頭』がリリースされたのは昭和58年にキャニオンレコードから。
『アラレちゃん音頭』がリリースされたのは昭和56年に日本コロムビアから。
 
なんだか気が遠くなるけれど、意外と「昨日のこと」なのかもしれません。
 
御陽気すぎる音頭と、楽しすぎるのと、同時に、切なさと哀愁と、やっぱり御陽気と。
 
ペンギン村にも住みたいけれど、マリネラ王国の方がいいかな。
 
いや、この世は結構ペンギン村で、同時にマリネラ王国なのかもしれない。

庵野秀明の作るものを観るたびに
「このひとほんまにあほやなあ」とつぶやくのだが、案外わたしたちは皆どっかちょっとめっちゃ庵野秀明なのかもしれない。
 
わたしが『クックロビン音頭』で一番好きな歌詞は3番の最後の歌詞です。

「丁々発止みな必死」

ほんまに。ほんまにねえ。

◆◆◆
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構成作家/ライター/コラム・エッセイスト
中村桃子(桃花舞台)と申します。
大衆芸能、
旅芝居(大衆演劇)や、
今はストリップ🦋♥とストリップ劇場に魅了される物書きです。

普段はラジオ番組構成や資料やCM書き、
各種文章やキャッチコピーなど、やっています。

劇場が好き。人間に興味が尽きません。

舞台鑑賞(歌舞伎、ミュージカル、新感線、小劇場、演芸、プロレス)と、
学生時代の劇団活動(作・演出/制作/役者)、
本を読むことと書くことで生きてきました。

某劇団の音楽監督、
亡き関西の喜劇作家、
大阪を愛するエッセイストに師事し、
大阪の制作会社兼広告代理店勤務を経て、フリーに。

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