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本当の音色

吹奏楽部。この言葉を聞いて思い浮かびそうなことといえば…。
大所帯の部活動、学校によっては体育会系文化部、強調性を大事にするとか…。

私は中学高校でそんな吹奏楽部に所属していました。そしてずっとクラリネットという楽器と縁がありました。
人格形成の期間にこれだけの時間を部活動に費やしていると、自然と性格に「吹奏楽」や「楽器」の影響が加わってくる気がします。(影響されやすいだけ?)

部活では「自分の音を磨くこと」、「音と音を調和させること」にトコトン向き合いました。(他にもリーダーシップについて挫折とともに多く学んだけれど…割愛。)
クラリネットは柔らかく、やさしい音が出ます。見た目は黒と銀で地味ですが、部活全体の中でも一番の大所帯で主旋律も伴奏も、ソロを吹くこともあるパートです。
合奏の時といつも1番前か2番目に並んでいて、ミスもすぐバレてしまうので(笑)自信の無い私はいつも緊張していたのを覚えています。吹奏楽と言いながら、全然吹くのを楽しめていない系の部員でした。

「自分の納得のいく音色」を極めること、ごく小さくでも「嫌な感じの音」が出るとすぐに調整。本当に楽器は難しい…。基礎練習、個人練習は「自分の音を磨くこと」にトコトン向き合う時間です。

そして、合奏では「音と音を調和させること」に向き合います。音の高さ、音色。ハーモニーによってはそこに「少し高く」「少し低く」といった絶妙な加減も必要だったりして、正直よく分からないけどみんなと合わせる試行錯誤をしていました。(高校までの私は本当に頭を使って考えることに慣れていなかった。。。)

高校の時に同じクラリネットパートの後輩で、とても演奏の上手な子がいました。私はすごくその子の音色が好きで尊敬していました。
私とは違う、クラリネットの優しい音色もありながらクリアで明るく、堂々とした、芯のある音。ソロも上手でした。
私の音色はやわらかく、優しい音だったかもしれないけれど、自信のなさを感じさせる音だと自分で思っていました。

「音」「表現」というのはその人を表す鏡のようだなと思います。高校生の時の自分は、まさに自信の無さやミスしたくないという不安が滲み出ていたし、その時の自分も少なからずそれを自覚していたけれど、一朝一夕で変わっていくものでもなかった。

でも、高校時代に後輩の音に出会えたことは自分がこんな「音」を出せる人になりたいという気持ちに気づかせてくれるキッカケでした。

これは自分の考えですが、楽器も人も、基本的な技術・知識の向上は必要ですが、その上の段階にいくには「その人らしく自分の音を表現すること」が求められると思います。その上で、社会の中で関わり合いながら生きていくわけなので、「音と音とを調和させていくこと」も大事なときが多々あります。

まずは、自分の本当の音色が出てくるために(もしくはこんな音色を出したいと思える音を出すために)、基礎練習や個人練習、人前で勇気を出して音を出すなどいろんな積み重ねが必要。その上で、人と人と調和していけるワザを高めていけると本当に自由に楽しくなっていくんだろうなと思います。

最近、少しだけ自分の納得のいく「本当の音色」が分かってきた気がします。それに自信が持てるようにも。

「本音」ということばの由来が
=本当の音色
というのを知って、書きたくなったのでスマホで雑に文章を打ってしまいました。

何が言いたいかって、自分は自分で納得のいく音色を自然と出せるようになりたい。自然と出せる音が納得のいく音色になるようにしたい。そのうえで、他者とも調和していけたときすごく楽しいと感じるよな、と思ったという話です!

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