ナカハラ、幸せになってくれ

【ネタバレ注意】

愛がなんだ、観た。女3人で観ました。いや〜キツかった!満席の渋谷にある映画館で見たんだけど普通エンドロールってみんな静かに見てるじゃん、でもなんか周りざわついてたの、「えっ…きつ…」って声とかため息とか聞こえてきたしその後の女子トイレなんてね、もうなんか葬式。みんなすべてじゃなくても1部とか少し似てるとかそういう経験があって、それをなんかみんな思い出してるんだろうな、と思った。わたしは辛い映画がほんとうに苦手で、一応本を読んでから観に行ったんだけど、あの、全然意味なかったです。映像ってすごいんだな。以下、ネタバレです。

1番無理だったのはもう会わないようにしようって言いに来た守に対してテルちゃんがなに自惚れてんの、恋人じゃないんだからそんなこと言わないでもっと生産的なことしようよみたいなこと言って笑うところ、ぜんぜん本心と真逆のこと言ってるテルちゃんバカだなあと思ったしそれを信じてははは俺恥ずかしーって笑う守が本当に本当にバカすぎてお前義務教育してきたのか?もしわかっていたけどお互いに依存しちゃいけないと思ってわからないフリをしたのであれば謝る。しかしそうじゃなかったらお前というやつはほんとうに……!!すみれさんがバーベキューの夜に守は付き合ったら自己中になるみたいなこと言ってたけど、もうその予兆が出てるよ。テルちゃん、あんなやつにしなくて正解だよ。やだやだ成田凌嫌いになっちゃう!  

大晦日の夜に葉子のママが「葉子もテルちゃんとかナカハラくんみたいに素直に育ってくれればね」「あの子には欲しいものは欲しいって言えるようになって欲しかった」みたいなこと言ってたけど実際テルちゃんもナカハラも欲しいものを欲しいって言えていないのがすごくつらい。  

ナカハラの写真展に来た葉子を見てナカハラがちょっと嬉しそうに笑ったの、そうやってナカハラは葉子をダメにして、そのダメになった葉子がまたナカハラをダメにするっていう連鎖なんだろうな、すみれさんも守とは付き合わないけど守のことを必要としてたし、そういう曖昧な態度が1番良くない、それを守も同じことテルちゃんにしてるから、テルちゃんもずっと守の呪縛から逃れられない。お互いがお互いを好きだからダメにし合っている感じが本当にしんどい。  

ナカハラは葉子があー誰かと飲みたいけど誰もいないな、あっナカハラがいるじゃんっていう存在になりたいとか言ってたけど、きっと葉子は本当は今までも誰かと飲みたいんじゃなくてナカハラと飲みたくて呼び出していたし、でもナカハラに依存しそうな自分を否定するためにナカハラをぞんざいに扱ったりしたんだろうな。でもナカハラは自己肯定感低すぎて側にいれるだけでいいってなってるんだと思う。もっと彼が強気で出てたら2人の関係性も違ったんじゃないかな。ナカハラにあんたはあんたが思ってるよりずっといい奴だよって言ってあげたい。

いつかどこかの誰かと幸せになっても、ずっと、一生、心のどこかにお互いが存在するんだろうな。テルちゃんも、守も、ナカハラも、葉子も、すみれさんも。忘れることも、嫌いになることもできなくて、ただただ心のどこかにずっといるんだと思う。それはあの、お互いをダメにしてしまった呪縛のせいで。

存在しないナカハラに対して、本気で、心の底から、幸せになってくれと思ってしまった。葉子と一緒にいたら負の連鎖なんだ、だめなんだよ。

カップルで見にきてる人たちもちらほらいたけど、あんたたち帰り道どんな会話をしたのよ…

おわります。

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