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で、結局私はダチョウの卵がダメなのか?

もう、四半世紀近く前になるのだが、アトピーがひどかった私は大阪市内のデカい大学付属病院を受診し、アレルギー検査を受けることになった。
「検査項目がちょっとだけでも全部でも値段一緒なんで、全部検査しときましょう。ちょっと採血の量は増えるけど。」みたいな説明だったと思うんだけど、大阪人としては「値段は一緒なのにいっぱい調べてもらえる」というのはお得感がある。あ、はい、そうしてください、調べまくっといてください!ということになり、私の記憶が確かならば(かなり確かじゃない)1000ぐらいのアレルゲン項目を検査されたと思う。どれぐらい確かじゃないかと言うと、母の記憶では500何十ぐらいだった気がする、という。とにかく覚えているのは、パソコンを操作するお医者さんが、
『 ☑ すべてチェック 』
みたいな項目の ☑ ← コレをクリックした瞬間に、ダーーーーーーっとものすごい数の植物や食物の名前たちの頭に ✓ ←このマークが付いていった映像が頭に残っている。

そして1週間後ぐらいに再受診し、結果を聞いた。
まず、普通の健康診断結果みたいな紙を見せられ、その中の、名前はまったく覚えていない(聞いたかもわからない)項目の数値が異常だった。
先生の説明では、『アレルギー反応が起きやすい体質かどうか』を示すような項目だと言っていた。それが、標準数値が12~60 なのに対し、私は1200以上あった。「尋常じゃなくアレルギーに弱い体質です。」と。
私はお育ちのよろしい中学生だったので、「(あー、飲み屋のおっちゃんが自慢してるガンマGTPとかと一緒や!!50以下じゃないとアカンのに、俺1200あんねん!wwwwwみたいなおっちゃんおるわ~~!それと一緒ぐらいの数字あるやんあたしのアレルギーwww)」
と思ったのを鮮明に覚えている。この歳になると、四半世紀前のことは昨日のことのように思い出せるね!昨日のことはイマイチ思い出せないけど。
そして、プロッターから出てきた感じの、超絶長い巻物みたいな蛇腹状に折りたたんだ紙の束が出てきた。
そこに、私の記憶で1000、母の記憶で520ぐらいの項目が書かれていて、昔の心電図みたいな、針がピンピン動いて波形を描く、みたいな線が描かれていた。

スクリーンショット 2021-09-14 185017

https://chibara.co.jp/cqb210_10_295.html
こういう紙! こういう線!

基本は無反応で左端に棒が描かれているだけなんだけども、例えば私の一番のアレルギー『ハウスダスト』の項目の部分では、そこだけ右に向かってビヨーーーンと波が伸びて描かれている。(たぶん現在だったら棒グラフで出てくるのが、全項目つながって波形で表されてるみたいな感じ。)
そして『鶏肉』の部分で、ほんの2ミリぐらい、ぴょこっ・・・と、死にそうな心電図ぐらいの出っ張りがあって、先生曰く、「大食い大会で唐揚げ2kg!とか食べない限り大丈夫。」という説明だった。
その他、鶏卵も牛乳も小麦粉も、蕎麦もピーナッツも、一般的なアレルゲンの項目はどれも真っ平な線だけが描かれていた。
そして。
ハウスダストよりもはるかに右まで針が振り切れていて、最終地点が見えないぐらいの項目があった。
それが、 『ダチョウの卵』 だった。

イメージ図

アレルギー結果イメージ図

「これは絶対に食べちゃダメ! 死ぬやつです。蕎麦とかピーナッツとかで呼吸困難になって死んじゃう人いるでしょ? あれと同じぐらいの反応だから。大人になってパーティーメニューとかででっかい目玉焼きとか出てきても絶対食べちゃダメ!」
と言われ、おぉぉおおおぉぉ・・・となった。
これに関しては、私も母も完全一致で覚えている。針が振り切れた紙のビジュアルと、先生の説明と。

あれからウン十年。(きみまろ)
北海道に住んでた時、千歳市の大きい病院の皮膚科にお世話になった。
そこで主治医になってもらった先生は、京都出身のバリバリ関西弁の先生だった。(ちなみに近所だからという理由でかよっていた歯医者さんも尼崎出身だった。北海道はとにかく関西人が多い。)
その皮膚科の問診票のアレルギーの欄に、『ダチョウの卵』と書いた。
だって昔、死ぬよって言われたから。
先生は笑いながら、「初めて見たわ!」と。正直こちらも半分ネタ・半分本気で書いてるので、笑いながら経緯とレベルを説明した、すると先生は、
「ところでダチョウの卵なんていつ食べたん?」 と。
いや、だから食べたことないですって!死ぬって言われたんで!!ww
「食べたことないと、アレルギー検査には出ぇへんハズやねんけどなぁ」

・・・え?

先生曰く、簡単に言うと、
「アレルギー検査というのは摂取したことが無いものに関しては反応が出ない。体がその物質に対して大丈夫かダメかの経験・知識がないみたいな感じで、物質を一度体内に取り込んだことがあることで、「あ、大丈夫だな」とか「うわ!これダメだ!」とかがわかるから検査したら「これ大丈夫です、これダメです」っていう結果が出る。知らんもんは、知らんから出ぇへん。」
というのだ。そして、
「ダチョウの卵は高い。1個5~6000円するねん。だからレストランとかで出てくるときはわざわざ「ダチョウの卵の、」みたいな名前がメニューに書いてあると思う。しれーっと鶏卵の代わりとして出すには調理も大変やしコストも高い。あり得るとしたら誰かのお土産とかで回ってきたダチョウの卵のクッキーとかプリンとかを知らん間におすそ分けで食べたことがあるとか、ダチョウの卵を使った美容系の物を塗ったり飲んだりしたことがあるとか、そのあたりかなぁー。でも死にかけた経験とか無いねんやろ?」
と。
小さいころからの飲み屋通いでほかの酔っ払い客から差し入れとしてもらって食べたことがある・・・とかかなぁ、可能性としては・・・。


そして。
つい先日、ツイッターでこんな記事を見た。

幼稚園の先生の漫画で、おやつのピーナツを食べた園児が倒れたという話。
この漫画の最終ページが、

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食べたことの無いものを相談、というのもけっこう大変な途方もない作戦な気がするけど、そんなことより!
入園前に「アレルギー検査などを済ませておいたほうが良いかも」と。
千歳の先生の話が本当だとすると、食べたことないものは検査しても反応が出ないって言ってたよ!? と。
でも漫画になって記事になるぐらいであれば、出るんだろうか・・・?

いよいよ謎が深まってきた。

そして今、けっこう大きな問題に直面している。
テレビでちょくちょく、「コロナワクチンをダチョウの卵から作る研究を進めている」みたいな話。

これ、あたし、打って大丈夫・・・?
死ぬヤツじゃない・・・?

じゃぁゴチャゴチャ言ってないで検査すれば?とお思いのアナタ!
そう!そこのアータ!!
検査できないんですよ!!!
千歳の先生に「めっちゃ気になる!!調べたい!!」と言ったんだけど、今現在のアレルギー検査というのは、一般的な病院だと

画像4

https://www.k-fiore.jp/option/allergy/ 

この項目に限られているらしく、これ以外の項目を検査する手立てが無いのだという。私が検査できたのは、「大学病院だったから、大学で特殊な研究をしてたんじゃないか?」と。

「検査項目がちょっとだけでも全部でも値段一緒なんで、全部検査しときましょう。」

走馬灯のようにあのセリフが・・・
あたし死ぬんかな・・・

そっか、だから同じ金額でめちゃめちゃ調べられたんじゃないか!?
いい検体として、しれーっとデータ取られたんじゃないか!?
多めに取った血、返せよ!!(いらんけど)

しかしもうこの大学病院は、一般患者の受付をしない病院になってしまっている。切羽詰まってる特殊な紹介状が無いと受診できないのだ。


今、椎間板ヘルニアを手術するかどうかの瀬戸際まで来ていて(手術可能かどうかの検査中)、入院前問診票というのを書いている。
その中にアレルギーを書く欄がある。
書くべきか・・・
書かざるべきか・・・
幸い、主治医の先生がフレンドリーな先生なので(クッソ忙しいけど)イチかバチか書いてみて、「アレでコレでこういう経緯の話なんですけど、ここの病院で調べられませんか!?」 って聞いてみようかなと思っている。

現在、『ダチョウの卵(半信半疑)』って書こうとしている。
(このページのトップ画写真が問診票の一部分です)

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みなさんのスキを心に抱きしめて書いております。
いつもありがとうございます。
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いつかここの文章をまとめて同人誌にしたいという夢があります。