ラーメンブームがかつてあった。
一杯5000円や一万円もするラーメン屋もテレビに登場した。
ラーメン屋を営む弟は、私に笑顔でこう言った。「ラーメンは、もともと、みんなが捨てた物から作られた食べ物だから。」
想像した。
廃棄された豚の骨。鳥の骨。

捨てられたネギの青い部分。

弟は店の背の壊れた椅子に、カバーをかけて使っている。
決して壊れた椅子を捨てない。
弟の店に来るお客さんも、みんなわかっている。

みんなが捨てるような冷たくなったマクドナルドのフライドポテトを、トースターで温めて、マヨネーズをつけて、「こうすると美味しいよ。」と笑顔で食べていた弟を思い出す。
母も弟も父も、モノを簡単には捨てなかった。

大切に大切に生きること。

一番身近な人達から、一番学ぶ。

経済成長が必ずしも幸せの尺度にはならない。
朝から晩まで働いても将来が不安なこの国の政治と制度が、社会がおかしい。

搾取するだけ搾取し、人間や動物や自然を壊す経済が、世の中が、企業がおかしい。

地球は、宇宙は怒っている。

私にもわかる。

先ず、私が変わらなければ。