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華麗なる誘惑

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Koji様の素敵イラストから妄想したショートストーリーたち。ヘッダー画像、この小説に使用させていただいたイラストは、すべてKoji様に著作権があります。
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2019年12月の記事一覧

恋のメロディーを奏でる前に*あとがき

未読の方はまずこちらから。

明るい色あいと、リズミカルな雰囲気のイラスト。
このイラストからは、何かが新しく始まる予感がした。
中学生のときは、吹奏楽部だった私。
スタートラインはみんなほぼ同じだった。練習前のジョギングや腹筋などの体力トレーニングが懐かしい。

この小説のような甘酸っぱい想い出は持っていないけれど、楽器ってできるようになると楽しい。もちろん、楽器に限らずだけれど、できなかったこ

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恋の答え合わせ*あとがき

未読の方はまずこちらから。

人には話せることと話せないことがある。
嘘をつくということではなく、言わない方が幸せなこともあるし、それは聞かない方が幸せなことなのだとも思う。

だけど、それでも人は、真実を知りたいと思ってしまうのだろう。
聞かない方が幸せなのだから、けっしていい話じゃないのはわかっているのだ。
だけど、知らないということを知ってしまったら、やはり知りたいと思う欲求を抑えることがで

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まんまるの優しさを繋いで

真夜中に目が覚めると、窓から見える月は、いつもまんまるだった。
隣に眠る圭のことを起こさないように、静かにベッドから降り、ベランダに出る。
冬がすぐ近くまで来ているせいか、空気はひんやりと冷たく感じられた。

圭と一緒に暮らすようになってから、7年が過ぎた。
何度か圭にプロポーズをされているけれど、私はその答えをずっと先延ばしにしている。

その理由はただひとつ。

どんなに愛していても、圭に依存

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ブラックラバーズ*あとがき

未読の方は、まずこちらから。

叶わないとわかっていても、本能で求めてしまう、そんなことってあると思う。
それは、恋や愛だけではない。
世の中は綺麗なものばかりではなくて、目を覆いたくなるようなことも、たくさんある。
見て見ぬ振りをすることも、知らない振りをすることも、時としては必要なこと。
さまざまな悩みや葛藤を抱えながら、私たちは生きている。

真っ黒な気持ちを抱えて、それを見せないように生き

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