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百瀬七海
2020年4月5日 08:12
校庭の片隅にある桜の花びらが、ひらひらと舞っている。優しい空に、それはまるで美しい雪のようだった。グラウンドを見下ろすと、ユニフォーム姿の男子が数人目に留まる。そのうちの1人、健太はすぐに私の視線に気づいたのか、ニカッと真っ白な歯を見せて笑うと、大きく手を振ってきた。健太は、付き合い始めて1ヶ月の私の彼氏だ。同じクラスになってすぐの頃から憧れてはいたけれど、健太の存在は恋愛感情という
2020年4月3日 22:27
両親が仕事で不在で、時間をもて余していた一人の夜。激しくなるばかりの雨音に、少し心細さを感じながらテレビを見ていると、インターフォンが鳴り響いた。「理?」立っていたのは、幼なじみの理。「一緒にDVDでも観ない?」その言葉に、一気にテンションが上がって、ドアを開けた。「ほら、これ。前に藍が観たいって言ってただろ?」理が差し出したのは、前に私が理のことを誘って断られた恋愛映画