年々、秋が短いと思っていたけれど。

こんなに早く寒くなるなんて、思ってもみなかった。

きっと体は準備できなくて、驚いているのだと思う。

徐々に気温が低くなっていけば、体も心も負担なく冬を迎えることが出来るのにな、なんて考えながら、いつものようにコーヒーを淹れる。

寒い日は特に、ホットのコーヒーが美味しく感じる。

今日は、寒さのせいか声に少し違和感を覚えた為、大事を取ってゆっくりと過ごすことにした。

夜になって、なんとなくパソコンに向かい、こうして文章を書いている。

あまり何も考えずに書いているから、取り止めもない文章になっているけれど。

何を書こうか、とぼんやり考えていると、ふと浮かんだ言葉がある。

「好きなもの」

なぜ、この言葉が浮かんだのかというと。

仕事場で会話をしていた時、「好きなもの」の話なった。

ぼくは、料理とコーヒー、書くこと、ラジオで話すことが好きだと伝える。

でも、その方は「特に何もないんです」と苦笑しながら言った。

「そうなんですね」と、その話は掘り下げなかったけれど、「好きなもの」が無い人もいるのだと、ちょっと驚いた。

確かに、全員が全員、「好きなもの」があるとは限らない。

でも、ひとつくらい。

ちょっと、「好き」程度でも無いのかな、と思った。

だから、改めて「好きなもの」があることって、当たり前じゃないんだ、と感じた。

「好きなもの」

それをしているだけで、心がわくわくして、元気になるもの。

心が安らいだり、笑顔になったり。

時間を忘れて、没頭してしまうこともある。

「好きなもの」があると、人生は豊かになるのだと、ぼくは思う。

もちろん、無理に好きになる必要はない。

でも、「好きなもの」を見つけることは、難しくないと思う。

ちょっとでも興味を持ったら調べてみる。

調べていると、心がわくわくしたり、たかぶったりする。

それが、「好きなもの」の見つけ方。

実際にやってみて、体感して「もっと好き」になることもある。

そうやって、自分の感覚で「好きなもの」がわかるようになる。

ただ、自分が楽しいかどうか。

ただ、自分が喜んでいるかどうか。

ちょっとでも、心が動いたら、それは「自分が好きかもしれない」ということ。

焦らなくても良いから、自分の感覚を信じてみて欲しい。

少しずつ、自分のペースで「好きなもの」を増やしていけば良い。

たくさん無くても構わない。

ひとつだけでも良い。

その「好きなもの」を大切に大切にしていって欲しい。