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夏の合宿資金を子供達と貯めた話

去年、コロナ禍ではあったが、長男はある合宿に参加した。琵琶湖畔で水遊びやカヌー体験ができるその合宿は、水が大好きな自閉症長男の心を鷲掴みにした。はじめてだったので1泊2日での参加だったが、それでは足りない❗️来年は1週間参加したい❗️と帰宅してから鼻息荒く訴えていた。

1週間も合宿!それは楽しそうだ。でも、それなりにお金もかかる。BSCウォータースポーツセンターのサイトによると5泊6日の合宿では

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ちなみに、1泊2日の合宿では

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である。長男と長女で参加させるとなると、実に10万円必要になるわけで。10万円、出せない金額ではない。でも、合宿行きたいの?OK!ってポンって10万円を出したくはない。子供達にはこれを機に、お金についてちょっと知ってもらおうと、合宿までに10万円貯める企画を考えた。これは、昨年9月から、合宿費用の10万円を家族みんなで協力して貯めたお話しです。

1. さて、10万円、どうするの?

合宿が終わってまだ興奮冷めやらぬ長男。”来年は絶対に1週間合宿に行く!”と息巻いている。その隣では長女も、”私も来年小学生だから合宿に行く”と息巻いていた。

ねぇねぇ、2人で合宿行くとしたらいくらかかると思う?

長男 ”えー、わかんないけど結構高い”
長女 ”100万くらい!” (彼女は自分の中で高そうと思ったらなんでも100万円と言う傾向があるw)

はい。では、調べてみましょう。
BSCのホームページによると、
5泊6日で78,000円、1泊2日で23,000円
だから二人合わせて101,000円だよ!

”ええええええええええ!10万円!1万円札が10枚か、結構高いね!”

と長男。ここで、10万円がないと二人は合宿に行けないことを悟った。

2. 自分のお年玉では足りない!

合宿に行くのはいいけれど、参加費用の10万円、どうするの?

長女 ”お年玉で行く”
長男 "お年玉じゃ足りないし、毎月の小遣い貯めても足りない”

彼らのお年玉は、双方の爺婆や叔父叔母からもらっても、長男が3万弱、長女が2万円くらいである。二人足しても5万円。しかも、お年玉をもらったら、それはそれで買いたいものも出てくるわけで。すべてを合宿に投じることは二人とも不満があるようである。

長男は月のお小遣いが500円、よって年間6,000円。彼の毎月のお小遣いは、だいたい100均で工作に使う材料を購入することで無くなっている。だから工作する意欲を抑えてまで6,000円を貯めるのは長男には不可能なことである。

ここで二人は、普段もらっているお年玉よりも高額で、毎月のお小遣いを貯めても到底手が届かない、10万円という金額の価値を体感した。

3. お金を貯めるのはどう?

お金が足りなくて合宿に行けないかも、という不安が顔に出まくっている二人に対して、提案した。お金を貯めるのはどうだろうか?と。ではどうやって貯めるのか。私からの提案はこうだ。

週末のお昼ご飯、外で食べるとだいたいこんな感じ
・マクドナルド 2,300円
・サイゼリア 3,000円
・いきつけのラーメン屋さん 2,000円
週末は、私が楽したいって理由でだいたいランチは外食だ。
でも1回につき平均2,500円かかっている。
毎週末5,000円、1ヶ月で20,000円である。
家でお昼ご飯を食べたら、2,500円貯めたら、
10万円貯めることができるのではないか。

これには二人も賛成した。なんせ自分の懐は痛まない。外でご飯食べていたのを家でご飯食べるにシフトするだけで、1回につき2,500円が貯まっていくのだから、こんなうまい話はない。こうして、我々は、週末のランチを外食せずにお金を貯める作戦を実行することにした。

4. ある日の週末

そして迎えた週末。土曜日、朝から家族4人で掃除洗濯、月曜日の準備をした。時計をみると11時。”ねぇ、お昼ご飯何食べにいく?”と子供たちに声をかけた。

おうちで食べよう。パスタとかうどんとかない?

あ、まぁ、ありますけど。。。でも色々面倒くさいから、パスタ茹でて市販のパスタソースぶっかける感じでいいですかね?!

十分だよ。じゃ、お昼はパスタで。

パスタ4人分(100円くらい)、ミートソース4人分(200円くらい)、合計300円くらいのこの日の昼食。そして約束通り、2,500円を合宿貯金に追加した。

5. 家でお昼食べる時は僕が作る

週末のお昼ご飯を家で食べる、と決めてから、子供達の意識が変わった。スーパーへ買い物へ行ったとき、

”そうめんだったら茹でるだけで美味しいよね。お昼にぴったり。買い置きしておこう”

とか、

”パスタソースもいろんな味を試したいよね。買い置きしておこう”

とか、週末のお昼ご飯をイメージしながら買い物するようになった。

”俺、焼きそば食べたいから、次の土曜日俺がお昼に焼きそば作るよ。作り方教えて”

と、長男。え、ほんとに?作ってくれるの?!

そこから、週末のお昼時、我が家のキッチンはクッキングスタジオとなった。子供達と一緒に、いろんな簡単ランチを作った。1度一緒に作ると次からは長男が作ってくれた。思いがけず、料理男子が爆誕した。

6. お弁当を持って行ったら使うお金が激減した

家にいる週末は、子供たちとローテーションでランチを作って食べるスタイルが定着した。とはいえ、お出かけするとどうしても外食になってしまう。長男はその点を気にかけていた。何しろ我が家は、お出かけ大好きだからである。土曜日、朝から出かけて夕方帰宅する、っていう日は結構ある。そこで長男が思いついたのはお弁当を持って出かけることであった。

いやいやいやいや、その弁当誰が作るねん!
断固反対!

”ママ、栄養バランスとか見た目とか、そんなの気にしなくていいよ。遠足とか運動会に持っていくようなお弁当じゃなくてさ、焼きそばでいい。焼きそばで。あと、チャーハンとか、親子丼とか。なんかそういうの。”

なるほど。それならね、だいぶハードルも低いしね。
って結局私が作るんかーいっ!

ということで、超手抜き簡単弁当を持って動物園に行ってみた。年パスもっているので、駐車場代700円とアイス代700円の1,400円しかかからなかった。いつもはここでお昼も食べるから5,000円くらい使うのに。お弁当を持参したから、これも外食扱いにはならず、2,500円を合宿貯金に追加した。

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それ以降、簡単お手軽弁当の出番は増えた。晴れた日は外で食べると気持ちがいい。移動中に車の中で食べれるのもいい。そして何より、合宿資金がどんどんたまった。

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7. 予定よりも早く目標達成

2020年9月から、合宿資金の貯金をはじめ、思いの外早くに目標が達成できた。この表をリビングの一番みやすいところに掲示しておいたのが功を成したように思う。見える化は大事。

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これをみながら、今月あと1回お昼家で食べたら4万円になるね!とか、今月は外食しすぎじゃない?来月はもっとおうちで食べないと!とか、子供達なりに現状を分析して次に活かす、PDCAサイクルが回ったように思う。

8. 10万円の使い道

10万円貯めた日、私は10枚の1万円札を子供たちの目の前に並べた。みんなで協力して貯めた10万円。とても価値のある10万円。ありがとう10万円。お金の価値や大切さだけじゃなく、料理への関心まで授けてくれて。

子供たちと相談した結果、2021年の夏、長男、長女ともに2泊3日の合宿に参加することにした。よって二人で73,000円。残りのお金は、長男のサッカー合宿と、夏休みの恐竜博の入場券に使うことにした。

BSC合宿    73,000円
サッカー合宿  18,800円
恐竜展     3,400円
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合計 95,200円、
残金 4,800円(恐竜博への交通費に充当予定)

9. 次の目標に向かって

ある日に読売こども新聞に、からくりハウスなるものが紹介されていた。

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これをみた子供たち、次の貯金目標を定めた。からくりハウスの宿泊料は、時期によってことなるが、普通の週末だと3万円くらい。そこに交通費と食費を考慮して、5万円を貯金することにした。これからも、我が家の週末おうちランチとたまにお弁当は続いていく。

10. 子供達とお金を貯める経験をしてよかったこと

子供たちとお金を貯める経験をしてよかったこと、5個あります。

①自分なりのお金の価値がわかってきた
②貯めてから使う、が定着しそう
③世の中に溢れるモノや体験の値段に興味を持ち出した
④限られたお金でいかに楽しく過ごすか考えられるようになった
⑤むやみやたらにあれ欲しい、これ欲しいと言わなくなった

資本主義社会で生きていくにあたり、お金は大事です。だからこそ、お金とはなんぞやを知って、お金とうまく付き合っていく術を学んで欲しいと思っていた。特に我が家はシングルマザーで、今のところ私の収入しかない。私の収入の中で、いかに楽しく過ごしていくか。大きな金額が必要なときどうすればいいのか。そういうことを子供たちとともに体感できたのはよかった。この経験から、世の中のいろんな値段にも興味を持ち始めたし、欲しいものがあったとして、それをどうやって購入しようかちゃんと向き合って考えるようになった。これは嬉しい進歩である。

目標をもってみんなで取り組んで、その目標を達成した時は、なんとも言えない嬉しさもあるわけで。このプロジェクトを経て、我が家はより良いチームになれたと思っている。だからこれからもこの取り組みは続けていこうと思う。

ちなみに、外食がぐっと減ったことと、料理男子が爆誕したおかげで、我が家の食費は右肩下がり。エンゲル係数高めだったのが、平均的なところに落ち着きました。

おしまい。



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