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妊娠中のアセトアミノフェン使用と子供の学童期の行動異常との関連:新研究の洞察


妊娠中のアセトアミノフェン使用と子供の学童期の行動異常との関連に関する論文の紹介です。ちょっと昔の論文ですが

Association of Acetaminophen Use During Pregnancy With Behavioral Problems in Childhood: Evidence Against Confounding
Evie Stergiakouli et al. JAMA Pediatr.2016 Octorber


結論:
出生前のアセトアミノフェンの曝露は、児の行動障害の危険因子となりうる。

評価しきれていない様々な交絡因子の存在や、メカニズムの解明などさらなる研究が求められる。

現在妊婦にも広く用いられているアセトアミノフェンであるが、妊娠中の発熱や頭痛に対する投与を制限することによる悪影響も考慮する必要があるだろう

簡単にまとめますと

  • 妊娠中にアセトアミノフェンを妊婦さんが内服すると、子供のすごく細かい発達面に影響が出るのかもしれないよね

  • でも、熱や痛みを我慢した悪影響を考慮したら、飲むべきか飲まないべきかは、明言できなくない?

  • 今は結論は出せないから、「絶対ダメー!!!」も、「ガンガン飲もうぜ!」も言えないよね・

ということがわかりました。

ネットに落ちてる情報だけで「絶対だめ」とか「大丈夫だよ」とか人に言いにくいですよね。迷ったときは主治医の先生にも一度相談してみてください。一人で悩みすぎないのが一番です。

以下内容の簡単な紹介です。




近年の研究によれば、妊娠中のアセトアミノフェン(一般的にはパラセタモールとして知られる)の使用が、胎児の神経発達に影響を与える可能性が示唆されています。しかし、この影響は他の要因によってもたらされる可能性があります。今回、エイボンの親子縦断研究(ALSPAC)に基づいた新しい研究が、アセトアミノフェン使用と将来の子供の行動問題との関連について洞察を提供しています。

研究の背景と目的 アセトアミノフェンは妊娠中の多くの女性に使用されていますが、その安全性に関する疑問が提起されてきました。この研究は、妊娠中のアセトアミノフェン使用と子供の行動問題の関連性を明らかにすることを目的としています。具体的には、母親の出生前および出生後のアセトアミノフェン使用、およびパートナーのアセトアミノフェン使用と子供の行動問題との関連性を調査しています。

研究デザインと結果 ALSPACに登録された1991年から1992年に生まれた7796人の母親と子供、パートナーのデータを使用して研究が行われました。アセトアミノフェン使用は、妊娠18週と32週、および子供が61か月の時点で質問票によって評価されました。

研究結果によれば、母親が妊娠18週と32週でアセトアミノフェンを使用することは、子供の7歳の時点で行動上の問題が増加する可能性と関連していました。特に活動亢進症状や感情的症状、全体的な難しさが増加する傾向が見られました。しかし、母親の出生後やパートナーがアセトアミノフェンを使用する場合にはこの関連は見られませんでした。

考察と結論 この研究の結果から、出生前にアセトアミノフェンに曝露される子供は、行動問題のリスクが高まる可能性があることが示唆されました。しかし、母親の出生後やパートナーのアセトアミノフェン使用との関連は説明されませんでした。つまり、アセトアミノフェン使用と子供の行動問題の関連性は、他の要因によってもたらされている可能性があります。

これらの結果は、公衆衛生のアドバイスに影響を与える可能性がありますが、より確かな結論を得るためには追加の研究が必要です。アセトアミノフェンの使用と子供の行動問題の関係性を深く理解するためには、今後の研究が重要です。

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