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もももももも

先日、我が家の初キャンプをしたとき、2日目の予定は特に何もなく(我が家の旅はそういうことが多い)、近いからという理由で、山梨県に行くことになった。

山梨に行くと、ほぼ毎回のように遊びに行っているフルーツ公園がその目的地であった。フルーツ公園は、山梨が誇る果樹をモチーフに、その生産地としてのアピールをしつつも、広大な土地を生かしたスケールの大きな公園である。

となりに農業試験場を擁し、周囲は桃や葡萄の農園が広がる立地。公園までの道も、フルーツロードと名付けられている。

ただ、僕たち家族の時間の使い方はあまりうまくなく、ほぼ毎回行っている割には、滞在時間は長くて2時間程度であり、友人知人から漏れ伝わる「鮎の掴み取り」や「アクアアスレチック」などは、その片鱗も見たことがない。

いつも、入ってすぐのフルーツの遊具(座るタイプ)のある広場で遊んでいるだけなのだ。これだけ広くて色々な仕掛けのある公園で、僕たち家族は、どこの公園でもできそうなことをしているだけ・・という勿体無い感じなのだ。

今度こそ、ほかの場所でも遊べるかも・・と思っていたら、不意に「桃狩りできるんじゃない?」と妻からの思いつき。

まだ早いのでは・・と言いつつも、僕と娘で行った桃狩りのお店を調べてみると、何と前日から「桃狩り+食べ放題」が始まっていたのである。妻のカン恐るべしである。駐車場も広くて、桃が主食のごとく食べられる農園として、僕はここを推したい。

前回、上の子と行った時には、僕としては物足りない食べ放題だった。今回は下の子の「まだ、たべる!」を呑み込む胃袋と、初めての桃狩りに意気揚々の妻、そして上の子も前回の結果に不満を持っていたようで、家族全員が食べる気満々で乗り込んだのである。

バスを降り立って広がる桃畑・・・楽しくなって、僕も桃を狩った。しかし、それは上の子の分だったのだ。下の子はまだ2歳なので料金を払っていないが、桃を狩るのは体験させたいと僕の分を使って狩っていて、妻は自分の分を狩っていたのだ。たわわに実る桃の木を前にして、計算したはずの3個を4人に振り分ける方法を忘れてしまったのだった。

一応、弁明として書いておくと、僕が実をもぐ直前に、上の子は傷が大きくついた桃をもいでおり、係のおじちゃんに「やり直し」を求めに行っていたのだ。それにしても、やり直しが認めてもらえなければ、規定以上の桃をもいだことになるので、結局よろしくないことではあった。

色々あったが、桃の食べ放題の場所に着くと、前回食べた実よりも小ぶりな印象を受けた。シーズンの始まりだから、確かに品種は異なっているのだろうし、これからどんどん大きくなっていくのだろう。味も、甘味がもっと欲しいなと思う実が多くあった。とはいえ、家族4人で食べた食べた。皮を剥いて、食べやすく実を切って・・タネの周りは大人が齧って。

この投稿のために、ホームページを検索したら、桃狩りのページに食べている写真が乗っていて、僕は小さく驚いた。桃を食べているのが大人だから、ということもあるのだろうが、みんなで丸齧りしていたのだ。皮を剥いて、一個を責任持って食べること・・これは僕たち家族にはなかった発想だったのだ。

結局、ももをたらふく食べたこともあって、フルーツ公園にいられる時間は短くなってしまった。また、入り口近くの遊具広場を冷やかして帰りを急ぐことになるのか、と思いながら公園の駐車場に入ると、上の子が「従姉妹ちゃんがいる!」と言った。

まさかそんな、と思ってみると、従姉妹とその親(僕の妹)がいたのだ。山梨在住でもないし、住んでいる場所は我が家からも遠くない距離で、休日にばったりと合うような近い場所でもないから、どちらもとても驚いた。

この奇跡の出会いで、遊具広場で遊ぶ時間はさらに減ってしまった。わずか数分という、近所の公園でもなかなか出さない最短記録を叩き出し、炎天下の園路を歩いて駐車場に戻ったのだった。

桃食べ放題の雪辱は晴れたけれど、フルーツ公園を満喫という課題は、さらに色濃く残ることになった。

私たち家族は、これからも、山梨に行かねばならない。

フルーツ公園のもっと奥へ、行かねばならないのである。


桃が美味しい季節。桃が甘くなる季節。インパクトのある桃の写真でサムネイル作ってくださいました!infocusさんありがとうございました。


#山梨 #桃狩り #課題 #旅 #家族 #公園

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