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学級経営における「共有」の大切さ

 私は小学校教諭をしています。本年度は、小学3年を担任しています。学級経営をする上で、子どもたちと言葉や大切にしたい価値を「共有」することが大事だと思っています。抽象的な言葉や価値が、子どもたちの中で具体的なイメージとしてしっかり根付くためには、それなりの工夫をする必要があります。今回は、「共有」をテーマにnoteを書いていきたいと思います。


1.なぜ共有することが大切なのか

 教室において、伝えたい言葉や大切にしたい価値を子どもたちに話した時に、子どもがそのことを具体的にイメージできていないと伝わりません。なぜなら、言葉や価値は抽象的で、それを受け取った子どもたちは、それを具体的にイメージできていなかったりするからです。もし、具体的にイメージすることができていないと、言葉や価値を伝えても、それぞれにイメージしたことがバラバラで、結局、同じ方向を向いていくことができなくなります。
 ですから、抽象的な言葉や価値をいかに具体的にイメージできるようにして「共有」するかが大事になります。また、その具体的なイメージを共有することができれば、今度は抽象的な言葉や価値一つでいろいろな場面を「共有」しやすくなるのです。
 では、教室における大切にしたい言葉や価値は、一度、具体的にイメージできるように落とし込むにはどうしたらよいのかを以下に書いていきます。

2.言葉を共有する

 教室が騒がしくなったときに、「静かに!」と言うことがあるかと思います。その「静かに!」が、どのくらいの静かさであるのかが、全員共有できているとはかぎりません。また「協力しましょう!」の協力が、何なのかを全員が共有できているとは限りません。ですから、日々、教室で伝える言葉がどういうことなのかを共有する必要があります。
 私は、静かな状態とは、「教室の外の音が自然と入ってくる状態」とし、「ほら、今、鳥の鳴き声が聞こえたでしょ?それぐらいの状態を静かというんだよ。」と伝えます。また、教室における「協力」は、一人でできることを2人以上でしない。仕事を分担することが協力であると伝えています。そうじをするのに、一人でバケツを持てるのに、仲良く二人でバケツを持ってくることを「協力」ととらえるかもしれませんが、それは本当の協力にならないと伝えています。
 言葉を伝えたいとき、多くの場面で抽象的な言葉を、具体的なイメージに落とし込んで伝えます。そうすることで、一つの抽象的な言葉で、具体的なたくさんの場面の出来事を伝えやすくなります。

3.価値を共有する

 教室において、大切にしたい価値を共有するために、私がよく使うのは、その具体的な場面を写真で撮るということです。例えば、「良い学び合いの姿」を伝えたければ、その場面が出たときに写真を撮ります。そして、子どもたちと、「ここに良さが詰まっているのだけれど、どこが良いと思う?」などと問いかけ、具体的な写真とともに伝えたい価値を共有します。私は、その写真を掲示したり、パワーポイントのシートにためて、いつでも子どもたちとその価値の具体的な場面を共有できるようにしています。抽象的な価値を子どもたちと具体的なイメージで共有しておくことで、その価値が伝わりやすくなります。もちろん、良いものだけではなく、悪いこともです。

 最後に、抽象と具体を意識して日々の言葉や価値を伝えていくことで、子どもたちと同じ方向を向いて進んでいくことができるのではないかと思っています。これからも、自分が話していることは具体的に子どもたちと共有できているのかを確認しながら学級経営をしていきたいと思っています。


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