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浦島花子さんにはなれません。

こちらでイタリア語学校に通っていた当初、長期滞在学習する生徒の他に、休暇の旅行も兼ねて、短期・超短期(1週間ぐらいから)の受講でも、色々な国の生徒が入れ替わり立ち替わりやって来ていた。

中級・上級クラスには、たいてい、それぞれの国でもイタリア語を勉強している生徒が参加した。

その中にいたフィンランド人学生のことが印象に残っている。
彼女は、自国で、在フィンランド歴20年ほどのイタリア人の先生のクラスに通っていると言っていた。
普段、授業以外で少し言葉を交わす分には、特に気が付かなかったのだが、授業中の彼女の発言や作文で使う単語について、先生に「うーん、その言葉は今、使わないわね」「その言葉は正しいけど、分からない人も多いかも」と、毎回の授業につき、いくつも指摘してされていたので、同席している身としてもかわいそうになるぐらいだった。
そこで、前述の彼女が習っていたイタリア人の先生が話題にあがったのだ。

インターネットが全くない時代ではなかったものの、在フィンランド歴20年の先生のイタリア語は、(ご年齢にもよるが、)イタリア在住時のままほぼ止まっていたのかもしれない。

20年ですべてが変わるわけではないだろうけれど、言葉の移り変わりというのは想像以上に速く、新しいモノやコトの情報がインターネットを介して瞬時に世界中に伝達可能な今の時代ならば、なおさら目まぐるしく変化するのだろう。

外国に在住する身としては、その先生の状況は他人事ではない。

新しい日本語もそうだが、新しく出てくる技術製品(たとえば、アンドロイド等)で使われる用語などは、まずはイタリア語で知るので、それは日本(外来語からかもしれないが)では何と言っているのだろう?ということになる。

一昔前ならば、「浦島太郎・浦島花子になっても、しょうがないよね~」で済まされたかもしれないものの、遠くにいても言葉や情報のアップデート可能な時代なので、おちおちそうも言っていられない。

……と言うよりは、言葉や流行について関心があるので、実際に自分が使ったり、取り入れたりするかは別として、知っておきたいのだ。


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