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泥酔サンタと恋する惑星。

『恋する惑星』という映画を思い出す。ここで流れている、California Dreamin'という唄が、死ぬほどに好きである。原曲の方がもっと好きだが、このバージョンも好きだ。いくつもの愛を思い出し、そして恋を思い出す。金網に、ポケベルを置き去りにするシーンがある。私はポケベルの世代ではない。だからこそ、ポケベルが羨ましかったりもする。私には、生きた化石のように思われる瞬間がある。"遺物だったり、異物だったり"。そんなことを思いながら、瞬間瞬間を感じ取る。なんとなくだが、夏頃にルーマニアに行く目処が立った。トランシルバニア地方に行けるのかは疑問だが、それでも憧れのルーマニアの土地を踏むことができると思えば幸せの極みである。厳密には、ロマフェストの方々が主催しているロマキャンプに参加する。もちろん、そこはアンちゃんサムチャンと相談してからにはなるのだが、気持ちだけは楽しみだ。"ロマダンスはステップが総て"ということを教わった。そうだと思う。過去に、ほんの少しだけだがフラメンコを踊っていたことがある。フラメンコは、諸にステップだ。身体が楽器、身体の総てが楽器、そうして音楽は生演奏が基本、という世界だった。ベリーダンスも、大元を辿っていくとそうなのだが、ここ日本ではなかなかにそれが難しい。そしてベリーダンサーはステップというものが悉く苦手である。普段、ステップを使って踊るという概念がほぼない。どちらかと言えばやはり、腹でリズムを取り、腹で踊る。だからこそ、"ベリー"なのであるが、わたしはロマダンスを踊っていきたいので、これからはステップの旅になるのだろう。その方が自分にあっている気がする。そういえば昔、フラメンコを始めようとしたきっかけが、「自分の怒りを向ける矛先がフラメンコしかない」と思ったことを思い出した。こういうとフラメンコにとてつもなく失礼な気がするが、実質、そうなのだ。わたしは根本的には、怒りを抱えている。恐らく今も、それは変わらないだろう。ただ、表に出ていないだけだ。出そうとも思わない。だが、それが時折、ヒョッコリと顔を出す。人間は誰しもが、そうしたものなのではないかと思う。みんな、どうしようもない怒りを抱えているものだと思う。それを人に向ければ、酷い場合犯罪になるし、自分に向ければ恐らく自らを物凄く傷つけ、最悪の結果を招くことにもなりかねないだろう。わたしは、怒りを人に向けることはない。自分に向けることもない。恐らくそれは、表現に向かうのだと思っている。(これはこれで問題なのだが•••)だから、観ている人はそれが怖くなるのだと思っている。それは、出し方がまだどうしようもない段階であるということも含めて磨いていくこととしよう。さて、面倒になってきたのでここいらで閑話休題。しばらく文をまた書かずにいた。言葉にするのが億劫だったことと、やはり、言葉にすることでなにかを喪っていくような気がしたからだ。この感覚は、いつも大切にしたいと思っている。なにも、文を書くときだけではない。言葉にすることで得るものと、喪うものは必ずある。それは写真も、ダンスも、恐らく同じだ。形にすることで喪うもの、そこにこそ尊いなにかが宿っている可能性がある。喪う、といえば、お気に入りの赤いライダースを無くした。あんなに大きなものをどうやって無くすのか。自分でも全くもって意味がわからないが、無くしてしまった。物を無くしたときはいつも、「嗚呼、しばらく実家に帰ったんだな。」だとか、「家出したんだな。」と思うようにしている。というか、脳がそう勝手に思い込んでいる。物理の法則として、物自体が地上から完全に消え去ることはない。必ずどこかには、あるはずだ。自分自身の視界に入らないだけで、何処かには必ず、あるものだ。そう考えるとなにも焦る必要はない。何処かにはあるのだ。必要な誰かのもとへ旅立ったのか、はたまた本当にすこし家出をしているだけなのか、間違いなくそのどちらかだ。今回もノンビリと帰りを待とうかと思った矢先、今日観たトランシルヴァニアという映画で黒いライダースがでてきた。ジンガリアという主人公のロマの女性が見事にそのライダースを着こなしていた。赤も好きだが、黒もいいなァと思い直し、つい、買ってしまった。ライダースはいつもAmazonで買う。3000円もしないものを購入しているが、かなり長い期間着ることができる。家出したライダースちゃんも、2000円ちょっとで購入した。これに関しては購入したことすら覚えていなかった。泥酔した勢いで購入ボタンを押し、スッカリ忘れて家に届いたときは誰かのプレゼントだと思い込んでいた次第だ。大人になってもサンタさんが来るのだ!と意気揚々としていたのだが、結局は記憶を無くした泥酔サンタのなせる業でしかなかったわけだ。そうなるともうサンタどころかピエロだ。やはりわたしはハーレクインだったのだ。さてさて、段々カヲスになってきたところで切り上げるとしよう。みなさま今日も、良い夢を。

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