昨夜プンプンしながらねた。今朝起きても何が何か気に入らない。又プリプリしながら出て行く。君代に馬鹿ヤローと投げ捨てゝ。　　　　　　　　　今月は十日近くまで代ムは無いかと思つてゐたら今日は五人で五号要員となる。八時で帰る。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　これで又明日代ムをやると十三時間になる。今月も又五十時間やれるか？　いくら働らいても、ろくにサービスもしてもらへない。あほらしいと考へざるを得ない。しかしだからと言つて働らかねばますます苦るしくなるだらうし　あじけない生活である。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　俺が女だつたら夫をもつと上手に働かせる事が出来よう。　その点においては、君代は欠けてゐる。重要な事だが、それをうめ合わせる他の長所があるだらうか？

娘からの注：　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　昨日から急に不機嫌。何が気に入らないのか。18日のまずいワンタンが悪かったのか。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　祖母と母が父に対して「ろくにサービスもしない」理由は何なのか。せっかく元気な男の子が生まれたのだから、もっと暖かい家庭ができあがっても良さそうなものなのに。母は家計簿のメモに結婚１年目で『離婚したい、この先一生ひとり身でもいい』と書き残している。一度壊れてしまった夫婦仲は修復できないのだろうか。何か決定的な断絶ができて、もう結婚は生活の手段と諦めてしまったのだろうか。昔から母は面倒くさがりで大雑把な人だったが、夫がこんなに日々憤懣を胸に押し込めて暮しているのに気づかないものだろうか？このあたりは当の夫婦たち自身でなければ分からない。