のんびり行くのが良き。即興死海行き車旅
「イスラエルまでやって来て死海滞在時間たったの20分て・・・。良いのかこのまま帰って、私よ。いや良いわけがない!やっぱり明日一人でリベンジするぞ!」
日中約1万円払って参加した死海&マサダ行きパッケージツアーに全く満足できなかった私。
今日の怒りと明日への気合い入れの両方から、鼻息を荒げながらホステルのシャワールームで買いたてほやほやの死海の泥パックを塗りたくっていた。
「あ、Dead sea(死海)の泥パック?今日行ったの?」
鏡越しにアフロの姉ちゃんが話しかけてきた。
今日行ったんだが満足できなくて、もう一回明日バスでリベンジするのだ!ルート知ってたりする?と答えると。
「あら!ちょうど明日ここのホステルで知り合った友達と一緒にレンタカーで行く予定なんだけど、一緒に来る?」
まさかの展開!
(泥パック塗っててよかったーーーー!)
翌朝ロビーに行くと、アフロの姉ちゃんヴェロニカと、気さくなオーストラリア人のおっちゃんペリーが笑顔で迎えてくれた。(本当は一人でバスを乗り継いで行くのはとっても不安だったので感謝の嵐)
どのルートで行くんだっけと三人でフロントの人に「Dead sea」と連呼しながら確認していると。
「あら、今日Dead seaに行くの?よかったら私もご一緒して良いかしら?」
同じホステルに滞在していたフランス人のアンも参戦することになった。
なんだか面白いことになってきたぞ!
しかも4人ならレンタカー代もガソリン代も浮くし、ラッキー!と意気揚々と出発した。
2時間ほどでヴェロニカが事前に調べたスポットに到着。昨日のザ・観光ツアー向けビーチとは違い、人も少なく、水も昨日のスポットより澄んでいて綺麗だった。道中にサクッと買ったサンドイッチとスナックを広げて、満足するまでのんびりすることにした。
”満足するまでのんびりすることにした"と言いつつも、入浴・遊泳は20分までと張り紙がしてあるほど塩水濃度が高く、そんなに長くも入っていられるものじゃなかった。笑
アフロのヴェロニカは「ここは眺めが綺麗だけど肝心の泥がない!」とのことで、もう一ヶ所泥があるスポットに行ってみることになった。
のんびりしていたら気付けば夕方になっていて、死海で見る夕暮れ時の空は綺麗だった。
世界遺産マサダに、死海2ビーチと、のんびり気が向くままに楽しんだ今日はなんだかハートが満たされたような充実した一日だった。
帰り道、さすがにみんな疲れ果てて静まり返る車内。
「せっかく歌手なんだし、なんか一曲歌ってよ」
とペリーさん。
か、歌手!?誰が!?
聞くと、なんとアメリカ在住のアフロのヴェロニカは駆け出しの歌手だった。
ドミニカ(←たぶん。記憶が定かではない)出身だという彼女はスペイン語の曲と英語の曲と2曲歌ってくれたのだが、おったまげた。
パワフルでソウルフルな歌声!こんな圧倒的な歌唱力を普通車の車内という距離感で聞いたらもう鳥肌が止まらず、夢中で聞き入った。
私は彼女の歌声を本当に気に入って、この旅の後もちょこちょこ検索していたが、その後活動を辞めてしまったのか残念ながら後にも先にも公式にアップされた曲は"Solo Tu"というこの一曲のみだった。(この曲も良いが彼女の歌唱力が伝わりきってない!車内で披露してくれた曲をCD化してくれたら絶対買うのに!←誰目線)
プロのプライベートライブを大満喫して、私たちの宿(日本に着想を得た小綺麗なカプセルホテル)に到着。
What a fun spontaneous trip!
(ほんと楽しい即興ツアーだったね!)
とハグを交わした後、それぞれのカプセルへ戻っていった。
旅は、どこへ行くかも大切だけど、”誰と出会うか”と、”あの時あそこであぁしてなかったら!”という不思議な巡り合わせが醍醐味な気がする。
そんなことを再確認させてくれたのんびり即興死海,車旅。
ヴェロニカ、ペリー、アン、また世界のどこかで会いましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?