日本吃音協会のコメントは吃音者の首を絞めている

日本吃音協会が水曜日のダウンタウンの番組に抗議文を出したとツイッターに報告したことが、物議を醸している。

同協会は「件の放送内容は、吃音者に対する差別と偏見を助長するもの」とし、「再発防止と番組制作の基準・指針の見直しを要求しました」と公表した。

これはツイッター内でも物議を醸しているのだが、
ワイドなショーという番組でダウンタウンの松本人志さんが
こう反論した。

松本は「吃音協会の方たちに悪気が一切ないのは重々分かる。」と前置きをしつつ「あの番組を見ている人はほとんどが分かっていると思いますけど、インタレスティングたけし君がドッキリを仕掛けられて、ドッキリを仕掛けられた何人かの一人であり、あの構造自体をみんなが楽しんで笑っているだけであって、彼の吃音の部分を笑った訳では一切ない。」と見解の違いを主張したのだ。

これは全くその通りで、そこだけ切り抜いても吃音者を笑うようにはなっていない。続けて、

「そこだけを問題視されてしまうと、彼が今後テレビに非常に出にくくなってしまう。彼の営業妨害に当たってしまうので、それはちょっと違うのではないかな。」
としている。

これは全くそうなのだ。実際このドッキリを仕掛けられたインタレスティングたけしさんは「もっとテレビジョンに出たい。」としている。
望んでいる状況なのかどうなのかは本当によく考えた方がいい。
まず本人に事情聴取してから抗議はすべきだと思う。

この抗議があったとして、あなたがテレビの会社だとしたらどうだろうか?
いいか悪いかは別として、お笑い芸人なのに笑いが起きたら
抗議を受けるひとをあなたは採用するだろうか?

つまり、同協会の抗議によって、あるお笑い芸人の将来の芽を詰んだのだ。
日本吃音協会を謳っている協会が吃音者を生きにくくしたのだ。

このような構図は以前にも小人プロレスであった。
小人症のひとたちが集まってプロレスをするという団体があったのだ。
選手は成人した小人症の人で、
興行として利益を出し、成功していた。
しかし、今回のように小人症の協会みたいな団体が、
小人症を見せ物にしているとこの小人プロレスを叩いたのだ。
結果、この団体は潰れることとなり、選手たちは収入を失った。

僕はプロレスが好きなのでわかるのだが、
半端な気持ちでプロレスはできない。
選手でやるにはローカルなプロレスですら
それなりに鍛えなければならない。

昔はサーカスで見せ物としてエレファントマンみたいなものがあったが、
それも本人が納得していて、それに見合うお金をもらっていたら
僕はビジネスモデルとして問題はないと思う。

AV業界もそういった女性の権利団体から
抗議を受けたりしていて、
AV女優さんが「ちゃんと契約に基づいて仕事をしています。こういった抗議は迷です。」という声明が出ていたりする。
もはや誰かが誰かを庇っているとか、誰かが誰かを守っている構図でもなく、
それは叩きたい人が叩きたいだけなのだ。

海外ではこのあたりをかなりビジネスライクにしている。
例えばマジシャンが人体切断トリックで、
そもそも下半身のない人を使うということがある。
普通は台に半身を隠して、2人使って行うトリックだが、
それを下半身ない人を使うことによって、
ありえないところでこのトリックができるようになるのだ。

これらは契約書で他言できないようになっていたり、
抱え込まないといけない上に口止め料も入るので、
結構な給料がもらえるそうなのだ。

それに小人症の人に関しては、
遊園地などにいる着ぐるみで、
小さいキャラクターの中に入るという仕事もある。
それらは一般的な成人では不可能であり、
そういった人も同様にそれなりの給料がもらえる。

こういったことを認めないと、
その病気の人は社会から排除されていくのだ。

病気は病気という部分もあると思うが、
個性は個性として、
その人にしかできないこと、
その病気の人にしかできないことという職業を
認めるべきだと僕は思う。

時に見せ物になるのは僕はありだと思っている。
あくまでその人が自分の意思で、
それに見合ったお金をもらっていることが前提ではあるが。

芸能人やモデルとはつまりそういうこと思うし、
それでいいと思うのだ。

こういった権利を主張する人や主張する団体というのは、
あくまで当事者に取材をした上で、
進めるべきだと僕は思う。

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