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Designing for Sound – Engaging the Senses, a series by monopo

monopoのクリエイティブを人間の五感をキーワードにご紹介する「Engaging the senses」。初回は聴覚である「音」を取り上げていきます。



音の魅力をビジュアルで伝える

1:YAMAHA Audio SeriesCreative Communication


世界中で愛されている日本初の総合楽器メーカー、ヤマハ株式会社。
monopo Tokyoではこのヤマハさんの「Sound bar」と「AV Receiver」シリーズのグローバルキャンペーンのコミュニケーションを提案、ディレクションしました。

テレビにつないで音質や迫力を向上させ、さまざまな音を最適化、まるで映画館のようなサウンドを楽しめる「Sound bar」と「AV Receiver」。
まさに「音」のクオリティの高さをどう表現し、訴求するかを考えたプロジェクトでした。
もちろんターゲットとなる人全員に実際の音を体験してもらうことは不可能です。さらに当時はコロナ禍だったこともあり、そもそもリアルに体験してもらうという企画が難しい情勢でした。

このコロナ禍による制限もあるなか、メンバーが出した答えは音そのものよりも「音による没入感を表現する」でした。実際にヤマハさんのオフィスで製品を体験させていただき、普段触れているテレビの音との違いに仰天。なんとしてもこの迫力と没入感を伝えたいと走り出しました。

自宅にいながらも最高の音で没入できる点を最大の提供価値と捉え、自宅でのエンターテイメント需要が高いミレニアル世代をメインターゲットに設定。「Feel truly, at home.」というコンセプトを定めました。
そしてその魅力をよりダイレクトに伝えるため、音によってコンテンツに没入する感覚を映像で描いていきました。



風にそよぐ木々の音から大きな爆発音やエンジン音など、映像作品に見られるさまざまな音のダイナミズムをフルCGで表現。まるで映画の予告編のような映像に仕上がりました。
グローバルに発信される映像として、世界規格のクオリティにこだわり、CG・サウンド共に世界トップレベルのクリエイターと共に制作しています。

映像をつけることで、音そのものの魅力と音が生み出す没入感を伝えた本プロジェクト。音のような形のないものの魅力を伝えるために何ができるかを考えた企画でした。

monopoのnoteでより当時の背景や裏話に迫った記事はこちら!


2:MERMADE Website

monopo Londonが制作したのがベルリンの音楽制作会社「MERMADE」のWebサイトです。

2023年のカンヌ審査員に選ばれたMermadeのファウンダーWenke Kleine-Benneからのオファー。音を扱う会社をどのようにWeb上で伝えていくかを考えたプロジェクトとなりました。

彼らが思う音、をどのように可視化するか。チームが考えたのはMERMADEが掲げる「the nature is sound」(音は風など自然の最も微々たる現象から発生する)に従い、音・自然といったエレメントをビジュアルに落とし込むことでした。
シンプルなWebサイトですが、モーションやグラフィックも使用。いきなりクライアントワークを見せるのではなく彼らの掲げる音を始めに見せ、彼らのフィロソフィーをはじめに伝えるような構成をとっています。


あたらしい音を作り出す

1:SHOKURAKU ASANO

音そのものを音だけに頼らずに表現した2つのプロジェクトに対し、あたらしく音そのものを作ったプロジェクトもあります。
その一つが西陣織ブランドの織楽浅野とのコラボレーションです。

創業100年を迎える京都西陣織ブランド「織楽浅野」。
monopo Tokyoではデジタルで職人のストーリーを体験できる「帯」としてQRコード柄の帯を制作。そのQRコードから閲覧できる特設Webサイトでプロダクトストーリーを伝える動画も制作しました。

ここでは実際の帯を作る各工程の音をサンプリング。BGMと現場の音が一体となり帯が出来上がる様子を追体験できる動画となっています。

織楽浅野さんの特徴の一つがさまざまな機械を駆使したハイブリッドな帯づくりをしている点。水と蒸気が飛び交う色染め工場から、ガラガラと音を立てる織機による最終工程まで、実際に現場を巡りながらサンプリングした音たちは、視聴者の追体験レベルを高めています。

帯、そして西陣織の魅力を伝えるために音という要素に注目し、映像にまったく違う音楽を載せるのではなく現場と地続きになるようなあらたな音を作ったプロジェクトでした。


2:"Let's! PLAY! SOUND PARK" Promotion Video

もう一つ、あらたな音をつくったプロジェクトをご紹介します。

日本を代表する音響メーカー、「オーディオテクニカ」が子どものための屋内広場「PLAY! PARK」(東京都 立川市)とコラボレーション。monopo Tokyoではこの施策のプロモーションビデオを制作をしました。

音を楽しむためのさまざまな遊具やワークショップを展開する、「みんなで音をさがそう! Let's! PLAY! SOUND PARK」というこの取り組み。
音を楽しむための様々な遊びを通して、新しい仲間や素材、発見と出会う様子を、実際の音と遊び心ある動きで表現しました。

実際に子どもたちが奏でた音を録音、サウンドトラックとして使用することでこどもたちの楽しむ様子や発見をより魅力的に伝えています。


音をさまざまに解釈することで生まれる世界がある

音をビジュアルで表現したプロジェクト、音そのものをあらたに作り表現したプロジェクト。2つのパターンをご紹介してきました。

どれも音、というキーワードがなければ生まれなかった企画です。
monopoではアウトプットの形にこだわっていません。だからこそ音というキーワード一つとっても違うアプローチやアウトプットが出てきます。
そしてクリエイティブに理論は必要ですが、その中にも人の感情を動かす情熱のようなスパイスが入ることでより魅力的なものに仕上がると考えています。

最も情報量の多い視覚だけではなく音、という人の五感・本能を刺激するようなアプローチや、音そのものを噛み砕いて表現していくような作業もそのスパイスたりうると我々は考えています。

もっとmonopoのことを知りたい! という方はぜひこちらをご一読ください。


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