2023年秋頃、クリエイティブエージェンシーmonopoは、パリに支社「monopo Paris」をオープンさせる。ロンドン、ニューヨーク、そしてサイゴンに続く５つ目の都市に進出することになるけれど、すごいスピード感じゃない？そもそも、なんでパリ？

「パリでチャレンジしたい」と自ら立ち上がり、monopo Parisのファウンダーとなったmonopoプロデューサーの友谷朝子（ともたにあさこ）さん（以下、朝子）。monopo Londonのコーファウンダーであるメラニーさん、マテイスさん（両者、以下敬称略）とタッグを組み、現在ロンドンにて奮闘中。３人に定期的にインタビューしながら、この海外支社設立プロジェクトを追いかける。

（インタビュー・執筆：常松亜子）

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ファウンダー、朝子の近況

メラニー、マテイス、朝子の３名によるmonopo Paris設立準備は着々と進んでいる。目下では今回お届け予定だったチームフォト撮影やオフィシャルウェブサイトの制作が進行中だが、パリ支社オープンとともにロンドンからパリへと拠点を移す予定の朝子は特に大変そう。なんでも、家やオフィス探しが困難とのこと。先日、たまたま私もパリにいくことがあり、美しい公園や美味しいごはんにすっかり魅了されて「パリに引っ越すか……」なんて思いが一瞬頭を過ったけれど、現地の友人に家賃相場を聞いて即座に「ポキッ」と自分の心が折れる音を聞いた。兎にも角にも家不足、という状況は現在私が住んでいるベルリンと同じだけれど、パリの家賃の高さはベルリンのそれよりさらに過酷だ。これはヨーロッパの多くの主要都市に言えることだけれども、空き物件が少なく、不動産が年々高騰していて、住宅危機は深刻だ。

monopo Parisティザーコンテンツが公開

そんな朝子が今回、嬉しそうに話してくれたのが、先日公開されたmonopo Paris初のコンテンツについて。「ティザーコンテンツとしてタイポグラフィを出したんだけど、反響が良かった」とのこと。まだ開設されて間もないmonopo Parisのオフィシャルインスタグラムだが、そこで公開された３つのタイポグラフィアートには、フォロワー数を超える「いいね！」と、monopo Parisのローンチを早々と祝うたくさんのコメントがついている。
「数字だけのことじゃないけど、みんなが注目してくれたなと感じた。結構保存とかもしてくれていて。温かい反応をもらえたことがものすごく嬉しい！」

朝子：「支社ローンチのプレスリリースを出す前に、ティザーコンテンツを制作したいと思って。メラニーとマテイスと、『私たちが意図するクラフトを提示していこう』という話になり、それを体現してくれるタイポを作ることにした。３人のクリエイターに、それぞれ異なるスタイルで『monopo Paris』を描いてもらった。」

第１弾はメラニー作

「夕日が好きだから」という朝子の好みを取り入れた赤、紫、黒のグラデーションカラーを背景に、メラニーが手描きしたタイポグラフィ。第２回目で紹介したパリ視察の際に街中で見かけたロゴなども、インスピレーションになっているとか。どこかレトロさを感じさせる仕上がりは、monopo Parisのムードを表している。

メラニー：「プレスリリースのような形式的なものだけではなく、クリエイティブなかたちでパリ支社のオープニングを私たちなりに盛り上げていきたくて。私たちがやりたいクリエイティブや、得意とするクリエイティブ、というのが伝わったらいいな。グラフィックデザインでいろいろとチャレンジするのは大好き！違った手法や、ビジュアルアーティストとのコラボレーションを取り入れたり。今回のティザーコンテンツ制作は、私たちのスタイルをみんなに見せられる絶好の機会だったと思う。」

第２弾はMinori Murataさん作

2000年代初頭のギャルカルチャーを彷彿とさせる第２弾のアートを作成したのは、ロンドンを拠点に活動中のアーティスト／アートディレクターのMinori Murataさん。

朝子：「みのりさんには、彼女のスタイルに『ジャパニーズY2K、ギャル要素を取り入れてほしい！』と依頼。このカルチャーをかつて通った私の同世代からの反響が特にすごかった（笑）みのりさんも最近ロンドンに越してきたばかり。早速、この機会にコラボレートさせてもらった。いろんなスタイルに対してオープンでありたいから、合う案件があれば積極的にチャレンジしたいと思っていて。新しいアーティストとのコラボ機会には、常にレーダーを張っているよ」

第３弾はmonopo Tokyoの山口央さん作

面白いアニメーションでタイポが飛び出してきて、楽しげな雰囲気の第３弾。monopo Tokyoのアートディレクター／デザイナーであり、日刊タイポ主宰者の一人でもある山口央さんによるもの。

朝子：「個人的にも『日刊タイポ』の第ファンだし、絶大な信頼を抱いているから、全部お任せで制作してもらった」

山口さん：「monopo Parisの誕生を、ポップなタイポグラフィと華やかな色味でお祝いしてみました。ミニマムなテイストの文字にすることで、生まれたてのmonopo Parisを表現しつつ、形が変わる＝自由なスタンスであることや、これからの成長の勢いを文字が飛び出す感じで体現。背景のスクロールするカラフルな背景は、monopoのルーツでもあるダイバーシティとその発展を意味しています。また、全体にどこか日本らしさを感じるエッセンス（漫画、リソグラフ）を入れました」

パリ、ロンドン、そして東京のエッセンスをそれぞれ取り入れながら、３名のクリエイターによって作成された今回のティザーコンテンツ。早速、monopo Parisのパーソナリティが見えてきている。

続くVol.4では、現在準備中のティザーコンテンツ第２弾についてをお届け予定。どうぞ、お楽しみに。

monopo Paris Instagram: https://www.instagram.com/monopo_paris/

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