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インド食器屋のインド料理旅

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食器買い付けの旅や国内の専門店巡りで出会った美味しいインド料理やインドの食文化を、「アジアハンター」の店主・小林真樹さんがエッセイふうにご紹介します。
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記事一覧

チキン・マンチュリアン【1】 インドにおける中華料理の登場

昨年(2023年)の夏だったか、「インド中華」に世の注目がにわかに集まった。「町中華」や「ガ…

モモ【3】 日本化したモモ

『料理と帝国』(レイチェル・ローダン著/みすず書房)によると、小麦粉の皮で詰め物を包んで…

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モモ【2】 インド化したモモ

その日、私はデリー市内にある巨大ショッピングモールのフードコートにいた。好調なインド経済…

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モモ【1】 ネパール化したモモ

日本全国津々浦々。今やどこに行ってもインド料理店がある。そしてその多くがインド人ではなく…

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ドーサ【3】 ドーサを求めてドサ回り

ドーサという言葉自体は古代タミルで書かれたサンガム文献にも登場した古いものであり、南イン…

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ドーサ【2】 崩壊するヘルシー概念と重い軽食

前項のとおり、タミル人は米をパッチャ・アルシー(生米)とプルンガル・アルシー(パーボイル…

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ドーサ【1】 南インドの米事情

「本格的な南インド料理とは?」と問われて、ミールスと共にドーサを挙げる人は多いだろう。例えばこれから日本のどこかで開業しようとする南インド料理店のうち、ドーサをメニューに置かない店はほとんどないはずだ。今やドーサは、南インドを象徴する料理として日本でも広く認知されている存在となっている。 雑穀やラヴァ(セモリナ粉)といった例外はあるものの、南インドの軽食店で出されるドーサは基本的に米およびウラッド豆とで出来ている。今回はこのドーサの主原料たる南インドの「米」事情に着目したい

チャパティ【3】 インド各地のチャパティ

前項と矛盾するようだが、インドでは外食店において必ずしも常に豪勢なごちそうだけが求められ…

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チャパティ【2】 家庭料理と外食料理

「インドの家庭ではナンは食べません。チャパティを食べるんです」 インド料理に関心のある方…

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バターチキン 【1】 出会いと衝撃

今やどんな街に行っても必ず一軒はあるインド料理店。 「今日はインドカレー気分だな?」 自…

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バターチキン 【2】 インドでの食べられ方と食器の差

日本で「バターチキン」の美味さに開眼した私は、その後インドを訪れた際も行く先々でたびたび…

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バターチキン 【3】 食材と味の違い

「バターチキン」というワードは、当時の私が主体的に記憶した最初のインド料理名だったかもし…

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ナン 【1】 日本での進化

バターチキンと相性バツグンなのがナン(ナーン)である。焼きたてでふっくらモチモチしたナン…

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ナン 【2】 インド各地のタンドール

「大きく作ったナンを、その大きさを強調させるためノーカットでサーブする」 これが日本のインド料理店で独自進化したナンの提供方法だった。一方インドでは数片にカットされて出される、と前回説明した。しかしそれはあくまでもレストランでの場合である。 インドでは大衆食堂や屋台などさまざまな場所でさまざまなナンが出される。その形状も、日本でもなじみのあるものから見かけないものまで幅広い。店でカレーと共に出されるだけでなく、ナンを単体で売っている「ナン屋」が存在するのだ。 とはいえ実は