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【これからの資質・能力とは?】

これからの資質、能力は、
○ 知識及び技能(習得)
○ 思考力、判断力、表現力(育成)
○ 学びに向かう力、人間性など(涵養)
であるとされ、
問題解決的な活動を通して、身に付けていく。その際、これまで「科学的な見方、考え方を養う」から「科学的な見方、考え方を働かせて」に変わった。そして、「主体的、対話的で深い学び」の視点での授業改善が求められる。

理科の単元の学習において、概念形成を中心に据えることで、より理解が深まり、資質、能力を磨くことになる。資質、能力を身に付けていくには、概念形成がキーワード。

では、概念形成って、なにか?
そもそも「概念」とはなにか?

「概念」イメージを言葉や図を用いて具現化したもの内包と外延がある。

汎用性のあるイメージがなければ、表現、判断、思考は出来ず、知識及び技能を活用出来ない。

イメージは、事実、知識、体験、感情などの場で成り立つ。そして、このイメージが、意味理解やこどもの思考、概念形成につながる。

ここでポイントになるのが、イメージは、人によって異なること。その人の場によって異なった見方を持つからだ。

「おーい、お茶」のペットボトルを例に説明する。
図画工作の先生が見ると、造形的な問いを持つかもしれない。
「これは、竹をイメージするのかな」
家庭科の先生が見ると、健康の問いを持つかもしれない。
「体にいいのかな」
社会の先生が見ると、効率的な問いを持つかもしれない。
「どこでつくられ、いつから、誰が考えたのかな?需要と供給は?」
国語の先生が見ると、言葉の働き方に問いを持つかもしれない。
「「おーい」を「おい」にしたら、どうなるだろう。なぜ、「おーい」なの?」

こうして、人によって異なること見方を価値付けていく。解釈によっては、見えているものよりも、見えていないものが見えてくる人もいて、こんな見方が人生を豊かにしていくかもしれない。でも、理科の学習で、すべての見方を取り上げては、ねらいとする資質、能力は育成が難しい。しかも、こどもの主体的は、前提条件となる。そのため、話し合いの中で、授業がぶれないために、柱となる考え方があると便利だ。たとえば、

・機能と構造
・共通性と多様性
・内側と外側
・部分と全体
・原因と結果
・定性的と定量的
・時間と空間
・量的と関係的
・循環型と停滞型

など見方を定義する考え方が必要になる。理科全体で使える考え方。これらの見方、考え方を働かせて、概念形成をし、涵養させていく。ひとりひとり、事実と解釈を明らかにし、メタ認知を働かせたり、価値付けていく。

「おーい、お茶」の見て、なにが溶けているのか問いを持つ人は、定量的な見方を働かせているし、他のお茶と味を比べたい人は、定性的な見方を働かせている。

同じものを見ても、見た人の知識によって、考え方は変わっていく。(比較、関係付け、条件制御、多面的に考えること)イメージによって見方も、考え方も変わっていく。そして、こどもが見方、考え方を働かせるときとは、まさに事象に出会ったとき。一つの現象は同じなのに、どういうイメージを持っているかによって、見えてくる問題は違う。質的な視点かもしれない。実体的な視点かもしれない。

だから、どんな事実と出会わせるか?どのようにこどもの自由な試行を、意図ある自由な思考を、見通していくか?授業改善には、スパイラルな営みが大切になる。

なにかに疑問を持つ子、意味理解が出来る子を育てたい。新しい分かるということについて、考えていく。

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