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もう、この後悔は二度としないために。

支離滅裂なこの文章から、飲み会の次の日も私はかなりショックを受けて、意識も朦朧としてたんだなと感じた。

時間が経って、それから共通の友人の力も彼に内緒で借りて、少しずつ自分の中に落とし込むことができてきたところで、ちゃんと言葉にしようと思った。

◇◆◇


先生のいない、自由にできる、研究室兼サークルの最後の飲み会だった。飲み会には普段参加しない私も久しぶりに参加した。

“研究室兼サークル” と書いているように、2つで1つの団体。機械工学科の研究室と同じことをするのでものづくりをする団体。私はここにサークル時代からいた。だからサークルの後輩も、もちろん同期の研究生たちともずっと関わりがあって、最後だからと参加した。

彼もこのサークル所属だった。でも彼は、メインのものづくりよりも、そのための資金集め、そしてそのための人脈作りをしていた。その時の私たちでそういったことをしている人はいなくて、新しい風が吹いてきた!と彼が入部した当時はこれからにとてもワクワクしていた。

ただ、技術者というものは広報をする人や“ものづくり以外をやる人”に興味は無く、優先順位も低く、扱いが雑。ものづくりをする俺たちが偉い!って認識を割と共通して持っているようだ。

彼がやっていたことは、そういった考えとは正反対。でも、絶対にこれから無くてはならないもの。その価値を、分からない教授にひとりでずっと立ち向かっていた。


◆◇◆


飲み会の前、午前中には2人でデートしていた。大学の通っていない方のキャンパス方面へ遊びに行っていて、最後だからとそのキャンパスに寄った。そこには彼がお世話になっていた職員さんがいらっしゃったので挨拶にも行った。


そんなこんなで飲み会スタート。彼がお酒好きなのは知っていたし、時々飲みすぎることもあったから注意して見ていたけれど、サークルの人にはお付き合いしていることを明かしていないから、できるフォローも限られる。気づいた時には遅かった。見たこと無いほど酔っていた。

お開きになって外に出たら、私の手に負えなくて、それこそ見たことない姿だった。やばいと思って二次会組とすぐに別れて、彼と共通の友人と私とでなんとか家に返そうとした。でも、とてもじゃないけど電車に乗れる状態じゃなかった。言わば泥酔状態だった。

そんな彼を介抱しながら、聞いたこともない言葉がたくさんでてきた。

本当は出禁なんてなりたくなかった

俺は本当は◯◯大好きなのに

先生が頑張ってるから力になりたかったのに

もっとここでやりたいことたくさんあったのに

聞いたことの無い願いや願望や想いだった。こんなにサークルのことを思っていたなんて知らなかった。笑い飛ばすから大丈夫だと思っていた。先生のこともそんなに信頼していたなんて分からなかった。そんなに後悔していたなんて感じ取れなかった。

彼と話すようになってから9ヶ月
付き合ってから7ヶ月
数ヶ月かもしれないけれど、今までたくさん話してきた。それも、その類のことばかり。それなのに、初めて聞く想いばかりを耳にした。

苦しそうな彼
吐く言葉

その言葉になんとか返しつつも、こんな状態になるほどたくさんの苦しさをひとりで抱え込ませてしまっていたことに申し訳なくなった。私の話ばかりで、これでぽっちも彼の力になんてなれていなかったんだと。悔しかった。私と同じように、弱音や愚痴を言葉にするのが苦手な人って分かっていたのに。
自分の不甲斐なさが嫌になった。そんなことより彼を何とかしないといけない。

途中で片手にいっぱいになるくらいの人に「大丈夫ですか?」と声をかけてもらったり、ポカリを頂いてその温かさがまた、とても嬉しかった。


自宅に返すことは諦めて、落ち着いたところでホテルを取り泊まることにした。
次の日になって、どこまで覚えているのか聞いてみたけど、ほとんど覚えていないみたい。あれだけの泥酔具合、そりゃあそうだよね。




介抱しながら、ようやく実感した彼のこと。
あの状態の彼をもう、見たくない。
あんな思いをさせたくない。

そのために自分も変わらなくちゃ。
自分のことでいっぱいいっぱいにならないように、何時でも彼を助けられるように。人はなんでもできる訳じゃないって今年散々感じたから、今の私ならきっとできる。

もう二度と、この後悔はしない。

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