これからの仕事と結婚と家族ってどうすればいいの、ムズイ

将来に対する漠然とした不安感がある。
ひとつの選択ミスが人生を修復不可能なものにしてしましそうだ。
安心するためには、世の中を知って、じっくり考えることだ。

ということで最近本を読んでみた。

以下に要約を示した。かなり乱暴な要約だと思うので、注意していただきたい。

〈乱暴な要約〉


古代社会:男女平等の村落社会。子供であれば、「誰の子」かはさほど重要でなく、次世代の労働力として共同体で子を育てる。

中世~近世(江戸時代まで):家族のあり方が村落から「父・母・子」に移っていく。律令制の施行がきっかけと考えられている。封建社会の中で、家父長制が強く浸透していく。

明治時代~第二次世界大戦終戦まで:明治民法によって家長に対して強い権力が与えられる。家父長制が確立する。

終戦後~高度経済成長期:近代化(工業化)が進み、生産の拠点が「家」から「会社」に移り、家父長制は廃止される。しかし欧米諸国由来の「男性稼ぎ手+専業主婦」家庭が浸透してく。

現代まで:男女それぞれ個人の生産基盤を持ち「家からの独立」の傾向が出てくる。

現代の家族モデルだと、「男女ともが自立した経済基盤のもとで、自由に結合し、子育てをする」という筋書きが実らなかった理由として、
1.経済活動の鈍化(所帯を持つには共働きをせざる得ない、稼ぐ男が減ったので結婚が難しくなった)
2.家事・育児の問題
3.高齢化
が挙げられる。

「男女ともが自立した経済基盤のもとで、自由に結合し、子育てをする」ためには、以上の3つの問題を解決しなくてはならない。その対策は大きく2つの種類が存在する。

米国型:国内外の所得格差を利用して、低所得出身の女性をナニーとして雇い、家事・育児を外注する。
北欧型:政府が女性をケア・ワーカーとして雇用し、無償労働を有償化する。


本書を読んで、未婚の20代女性が考えること。

日本が子供を産み、育てやすい社会に変化することが一番良いのだが、私が現役世代の間に変わることは難しいように感じる(なぜなら政治家の多くは、専業主婦の母親を間近で見てきた男性か、仕事一筋に生きてきたスーパーウーマンだけだから)。

私の人生における優先順位でキャリアを途絶えさせないことはかなりの上位に位置する。
仮に私が家族を作って子供を産み、育てたいと考えた時、私の希望と子育てをいかに両立するかが重要だ。従来の家族モデルでは上記の希望を通すことは難しかったと思う。結婚・出産・育児と男性と同様に働くことは非常に困難であった。
希望を通すうえで、一番の懸念点は「育児は誰が行うか」だ。
そもそも私は専業主婦になる気はさらさらなく、総合職を諦める気もない。週5日間、8時間労働を維持したまま子育てを行うことになる。
平日に私が子育ての中心となることは不可能だ。同様にして、父親となる人も不可能であろう。

かといって、欧米型・北欧型の対応策は日本で行うのは現実的ではない。

そうなると、選択肢は一つしかない。
私の両親or夫の両親に平日の子育てを委託するのである。
母親だけの子育てでも、母親・父親だけの子育てでもない。最大で6人の大人による子育てである。
これが一番合理的であると思う。
つまり稼げる現役世代がフル勤務で賃金を得て、リタイア世代が無償労働を担う。

これは従来の地元密着型の人々が行っていた方針のように思う。
転勤のない職種であれば、親と同じ家、あるいは近所に家を建て、自分の子供を両親が面倒を見てくれるのである。その間自分が仕事を続けられ、仮に離婚しても問題なく子育てができた。

全国転勤を前提とした総合職が、地元密着型と同様のモデルを遂行するには、私は以下のようなことが重要に思う。

会社生活においては、
1.出産前までは会社に忠誠を誓い、モーレツサラリーマンになる(滅私奉公してきた上司に気に入られるような忠誠心を見せる)
2.時間に余裕があるときに転職活動に有利なスキルを身に着ける(社外に通用するスキルや資格)
3.リモートワークを選択できる業界で働く

家族生活においては、
1.親との関係を良好に保つ
2.親世代の価値観のアップグレードを促す
3.親の居住地域と自分たちの居住地域を一致させる

果たしてこれが正解かどうかはわからない。
本書に書かれた筆者の理想とは対極に位置するものだと感じている。
それでも変化する社会で、自己実現と子育てを両立するために現役世代に残された一番の近道は、この方法しかないように私は思う。



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