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銀魂は永久に不潔です

 当時、小学3年生だった私はその番組を観て、強く興味を惹かれました。

「俺のチョコレートパフェが、まるまるこぼれちまったじゃねーか!!」

 パフェが食べられなかった腹いせという、しょうもない理由で木刀を振るう主人公の姿に、なぜかカッコいいと思ったのを今でも覚えています。それが、私が『銀魂』に出会った瞬間でした。

 『銀魂』は私の青春と共にあった作品です。「ドンペリ」「キャバクラ」「糖尿病」という言葉を知ったのも『銀魂』がきっかけでした。小学生の時分で知らなくてもいいような知識が増えていく中で、気がつけば家族揃って『銀魂』を楽しむようになっていました。

 なぜ、ここまで『銀魂』にハマったのか。その問いに対する私の答えは、キャラクターの「アベコベさ」なのだと考えます。
 主人公の坂田銀時をはじめとして、『銀魂』に登場するキャラクターの誰もが、通り一辺倒の分かりやすい性格をしていません。それが最も顕著に表れているのが、長谷川泰三(通称、マダオ)でしょう。

 長谷川さんは、かつて幕府の官僚だった人ですが、不幸が重なった結果、ホームレスになってしまいます。自販機に落ちていた小銭でアイスを買うような生活を送る彼のことを、作中では「まるでダメなオッさん、略してマダオ」と称される始末です。

 しかし、そんなマダオにもカッコいい場面がいくつも出てきます。奥さんから貰ったスーツをずっと大事にしていたり、家庭崩壊の危機に瀕した一家を救ったり、と長谷川さんの人に対する思いやりが垣間見えるのです。

 お金も家も無い長谷川さんですが、なんやかんやで困った人を助けようとしてくれます。一時の利益よりも自分の信念、言い換えれば「侍道」を優先する。それこそが長谷川泰三というキャラクターなのです。

 100%良い人がいなければ、100%悪い人もいない。それが人間なのだと思います。そこへきて、良いところも悪いところも両方を併せ持つキャラクターがたくさん登場する『銀魂』は、人間くささが濃密に篭っているのです。だからこそ、数ある作品の中でも特に親しみが持てるのでしょう。

 『銀魂』は漫画・アニメともに完結しましたが、今でも私の中では「銀魂は永久に不潔です」。




 なぜ『銀魂』の話をしたのかというと、今日10月10日は我らが主人公、銀さんの誕生日だからなんですね。

 ハッピーバースデー、銀さん。甘党&無鉄砲なラストサムライのことを、私はずっと忘れません。


 また、アニメ銀魂のYouTubeチャンネルでも10/10の21時からプレミア配信が行われるとのこと。見逃せませんねっ

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