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要点がつかめなかった本ーー奈倉有里著『ことばの白地図を歩く』を読んで

 奈倉有里著 創元社 2023年出版

 Amazonでなんかの本検索してたら、ついでにこの本がオススメにあがってきて、興味がそそられたので図書館で借りて読んでみた。

 ロシア語の研究者が執筆した本らしいが、あんまりおもしろくなかった。ロシア語ってあんまり研究者のいない分野だと思うが、そういう研究者が書く本ってマジョリティの人とは違った言葉が出てくると私は思っていたのだが、この作者さんは、若いのかそんなにおもしろいことは書かれてなかった。

 出版社が創元社で割と良い出版社だと認識していたが、なんか期待外れだった。

 語学を学習する上で当たり前のことしか書かれていなかったとは言えないけど、なんかこう、心に残るようなことが書かれていなかった。例えば、昔、学校で語学を教えてくれた先生にこんなことを言われて心に残った、みたいなことは、誰しもあると思うが、そういう言葉が、この本にはなかった。

 例えば、巻末のガイドに千野栄一さんの『外国語上達法』という本が紹介されていたが、「大人になってから他言語を学ぶためのヒントがたくさん。」の一言が添えてあるだけで、ロシア語の研究者が千野さんに対してこういう評価なのが意外だった。

 最近、こういう感じの本が多い気がする。なんというか、要点をつかめない本というか。挿絵とか、こういう設定は珍しいんじゃん、と思って、こういう本作った感じは分かるが、文章が、いろんな人が言いたいことを敷き詰めた感じで、ほんとに一人の著者の意見なんだろか、とちょっと思ってしまう。でも、あとがきとかを読むと、なんで自分が言語に興味を持つか、といった話は私も共感できるんだが、それがなにかひとつのトピックに集約されて書かれた本ではなくて、自分が良いと思った言葉だけ、羅列的に並べて作られた本の気がした。 

 あんまりこういう本の読書感想文は書きたくないが、全部読了したので、記録に残す。



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