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設定とストーリーーー『ホテル・メッツァペウラへようこそ 1巻』を読んで

 福田星良著 KADOKAWA 2022年出版

 近所の本屋さんで、なんかおもしろいマンガないかなー、と探してて、なんとなくこれかな、と思って選んで買った本。

 ストーリーはフィンランド、ラップランド地方にある雪山の中に建っている別荘みたいなホテルの話。そこに、全身、刺青が入った日本人男性が舞い込んできて、ホテルのオーナーなどに一緒に働いてみないか、と言われて、しばらくそのホテルで働く様子が描かれている。

 なんで、「こんなとこに日本人男性が」、「しかも刺青をした」、とかちょっと意外な出だしからこのマンガは始まるのだが、なんか、マンガの出だしってこんな感じだよね、とちょっとこのマンガを読んで思った。設定を構想してから描き始めたんだろうか。その前のストーリー的なものはどうでもいいんだろうか。でも、この1巻を読んでみると、多分、このマンガの著者はホテルに来た来客者とホテルで働く人とのやり取りみたいなものをストーリーにして描きたかったんじゃないか、と予想される。

 ラップランドがまさかこんなとこなんだろか、とちょっと疑問に思うが、なんで、この著者はラップランドをこのホテルの場所として選んだんだろ。なんか理由があるんだろか。

 この突如に現れた、刺青をした日本人男性は謎を秘めた設定になっていて、その謎がちらほらこのマンガを読み進めていく中で、読者に「なんなんだろう」と思わす展開になっている。特に、この1巻目では、昔、ヤクザの親分みたいな人に主人公の男性が面倒を見てもらったみたいな過去が描かれていて、そこが、結構グッとくる。その親分みたいな男性が、「ヤクザになりたいなんて馬鹿なこと考えるな」と、この若い主人公の男性に言うんだが、多分、この人は、結局殺されちゃったけど、かつて、ヤクザの親分で足を洗って、この主人公の男性の面倒をみてやろうと思った人なんだろうと、私は推測したが、このマンガを読んだことのある人、ってどう思ったんだろね。

 マンガとしては、文字の量と絵が読みやす分量で結構早く読み進められた。二巻目も買おうか悩めるが、ホテルの客とのストーリーばっかりだったら面白くないかな。そこにこの主人公の過去が織り込まれているから面白いんだろうと思う。そういうマンガだと期待する。

 確かに気になるから、2巻目も買って読んでみようかな。


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