ふじちか著　双葉社　2022年出版

　近所の本屋さんでおもしろそうだと思って購入した。タイトルの「スケバンと転校生」という二人の女性を並べるところが、なんか不自然に感じたし、でもおもしろそうにも感じて、興味をそそられた。

　マンガ本文は、結構、支離滅裂だった。twitterやpixivで大好評だったらしいがその通りで、最初の１話、２話くらいは、突然、話が始まって、突然終わる感じがした。まず、ひとつ言えるのは、前座がないとこがおもしろく感じた。この二人に、家族とか、そういった背景が全くない。シチュエーションだけを誰かに提供されて描いたかのような。でも、著者をみると、「ふじちか」としか名乗られていない。こんなギャグマンガでこんなことを問うのは愚門かもしれないが、原作者みたいのがいるんではないか。今まで、マンガ家ってストーリーとか、コマ割りとか、話の展開とか、いろいろ考えることができる人だと思っていたが、このマンガ家はなんか、スケバンの女子高生と彼女に戯れるキャピキャピした女子高生の絵がうまく書けたから、勢いで、このマンガを描いたように思う。

　オチはだいたい決まっていて、スケバンと転校生が、イチャイチャ、キャピキャピ。スケバンは、イチャイチャするのがいやなんだが、ツンデレとも違う。でも、二人の間にちょっとした恋心が生まれるんだが、そこら辺まではたいへんおもしろかったんだが、昔の不良が校庭でタイマンはるシーンらへんからちょっとこのマンガがちゃっちく感じた。ろくでなしブルースとか、もっとおもしろい不良マンガはいっぱいあるが、そういうマンガではないんだと思った。

　そう考えると、このスケバンと転校生という二人の女性の取り合わせはなんだか変で、このマンガに描かれてる女性二人のレズビアン的関係なんて、ありえなくて、とても非現実的なマンガの世界のように感じる。そこがおもしろいわけではなく、ギャクマンガのような世界がおもしろかったわけなのであるが、そこまで振り切ってない感じがして、うんちょまるまるって感じがした。

　まあ、興味がある人は読んでみればいいと思うが、書籍で購入して読むのはどうなんだろね、と思ったマンガでした。