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背中の皮がはがれるのだ

先日、生まれてはじめて沖縄旅行をした。数年ぶりに海にも行ったのだが、日焼け止めも塗らず上裸で走り回ったせいで背中に大ダメージを負ってしまった。

海から帰り、那覇のホテルで風呂に入るために服を脱ぐと、背中が真っ赤になっていた。私は不健康的な青白い皮膚をしているため、さながら日の丸弁当の梅干しの色が移った白飯みたいであった。
激痛というほどではないが、水をかけるとピリピリとした刺激が走る。
面倒だからと横着せず日焼け止めを塗っておくべきだったと後悔。

それから三日ほどが経ち、自宅でテレビを観ていると、妙に背中がかゆくなった。少し手でこすってみると、ポロポロとカスが量産された。ついにきたかと思い、上の服を脱ぐと右肩のあたりの皮が一センチほどめくれた状態になっている。私はゆっくりとそのめくれた皮を引っ張っていく。するとペリーっとかすかに音を立てながらはがれていった。痛みは全くない。むしろ快感である。五センチほどの半透明の薄皮を手に、テンションが上がってしまった私は、その後二時間、背中の皮をむき続けた。

後でネットで調べて知ったのだが、日焼け後の皮はむいてはいけないらしい。『絶対NG‼炎症の元』だの『色素沈着の原因』だのとなんだかこわいことが書いてある。私は嬉々として自傷行為に励んでいたのである。
しかし、もう手遅れである。楽しくなってむけるところはほとんどむいてしまった。とはいえ、炎症を起こしてもクリームかなにか塗っておけば大丈夫だろうし、色素沈着しても旅の思い出を体に刻んだと思えばいいのだ。
そう考えることにした。



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