『なぜ「野生のクマ」は「犬」にだけ弱いのか?をヒントにロボット獣害対策』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.11.12
■「犬」に吠えられると一目散に逃げる「クマ」の心理 なぜ「野生のクマ」は「犬」にだけ弱いのか
今年は全国でクマの被害が多く発生していると連日のように報道されます。
クマの住処の山で果物など食べ物が不作、里山の過疎化で人間のテリトリーが狭まりクマの活動領域が広がった、クマを打てるハンターの高齢化や担い手不足など、さまざまな理由が挙げられています。
人も怖がらなくなったクマも、犬だけには弱いのだ。
というのが今回のAERAの記事です。
『ざんねんないきもの事典』シリーズの著者で、動物学者の今泉忠明さんによると、
とのこと。しかし、こうも続けます。
つまり、昔の野犬は怖かったけれど、今の飼い犬なナメられていると。
戦闘本能を減らすことが飼いやすいペットには必要な条件ですから、飼い犬にクマ撃退能力を期待するのは無理です。しかも昔のように外で犬を飼う人も減っており、お散歩の時間くらいしか犬は外に出ません。
・クマは元来、犬を怖がる。
・犬は元来、戦闘能力がある。
・けれど飼い犬にクマを威圧する能力は期待できない。
ならば、犬型ロボットを防犯用に配置するのは効果があるかもしれません。「番犬」はロボットが担う未来、あり得ると思います。
ロボット犬が防犯を担う未来
ロボット犬が警備を担うメリットはたくさんあります。
・生きた犬がウロウロしていると怖いが、ロボットなら防犯用だとわかり、人間が怖がらなくて済む。
・人間が同伴せず、自律的にパトロールや戦闘ができる。
・24時間365日稼働でき、夜行性の動物にも対抗できる。
・「命」を危険にさらすことがない。戦闘でダメージを追っても「破損」「故障」であって「死」ではなく、倫理問題になりづらい。(クマ側の倫理問題にはコンセンサスが必要)
・暗視センサーや通信機能、電撃やカプサイシンガスなど、生きた犬には備えられないオプションを追加使用できる。
・AIの画像や動画を認識し、動物の種類に応じた対策や、不審な人間と近隣住民の区別ができる。
・行動ログが取れる。
まさしく兵器としてのドローンと同じ特徴ではありますが、結局ロボットは使い方次第です。戦争で人殺しの道具として使うのはやっぱりイヤですが、農作物を荒らす野生動物を撃退することに使う、農作物を盗む人間を撃退することに使うなど、多くの人に理解される使い方もあるはずです。
人口減でヒトのテリトリーが狭まる中でロボット犬が農業を守る
農業従事者の高齢化が進んでいますが、離農の大きな要因のひとつが獣害です。むしろ獣害がなければ若い人の農業後継による地方移住が進むんじゃないかと考えられるほど、獣害は深刻です。
耕作放棄地が増えれば、野生動物のテリトリーが広がります。そうなれば動物はもっとヒトに近づいてきます。
ロボット犬が獣害を24時間365日防ぎ、離農を防げれば、若い人への後継がスムーズにできるようになるでしょう。
以前から農業の獣害対策用にロボットの開発が進んできましたが、最近は画像認識AIが進んだり、電池の性能が上がるなど、より実用化がしやすい状況にもなってきたと思います。
幸い、日本は農地が海外ほど超広大というわけではないため、ロボットがカバーしなければならない範囲は狭くて済みます。
ロボット獣害対策特区構想
どこか先進的な県で「ロボット獣害対策特区」を試してみるのはどうでしょうか。
これまでの法規制だと、攻撃能力をロボットに持たせるのは許可が下りにくいんじゃないかと思います。
エリアを限定し、この中には野生動物を撃退する能力を持った防犯ロボットがいることを明示して、ロボットによる獣害対策の効果と課題を洗い出します。
うまくいけば、「このエリアは防犯はロボットが担うので農業だけに専念できます」という若い人の移住促進施策につなげられるんじゃないかと思います。
ついでに、宅配も無人ドローン、タクシーも自動運転、学校もVR、など、先進的な取り組みを全部試せる特区にすれば、農業以外の先端企業の誘致にもつなげられるんじゃないでしょうか。
農業を起点に先端企業を誘致するロボット獣害特区、どこかでやりません?
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