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背徳の風呂ワーク【両国 江戸遊編】

去年の今頃は、日本にまだ存在していなかったのに、突如現れた概念。『テレワーク』
リモートワークとか在宅とかいろいろ言い方はあるが、モーレツサラリーマンである私たちにとって、ドラえもんが現れるのと同じくらい、潜在的には願いながらきっと叶う日はないと心で諦めていたこと。

しかし、その儚い夢はコロナによって確かな現実に変わった。モーレツサラリーマンたちは、朝の通勤ラッシュからも、深い飲み会翌日の吐きそうになりながらの出社、出先表に書いてある時間よりも遅れることへのプレッシャーやアリバイ工作などなど、さまざまな通勤ストレスから解放されて、テレワーク天国を手に入れた。

昨年4月の最初のテレワークは、ストレス軽減による恩恵を受けて業務効率が上がったという声も相次ぎ、ついにモーレツサラリーマンも絶滅か。と思った矢先、2回目の緊急事態宣言がやってきた2021年。

私の持論では、日本人とは勤勉に見えて実は怠惰な民族である。だからこそ、かつての日本軍のような学校教育や理不尽すぎる体育会文化などの厳しい規律が社会を制することで、怠惰な人たちも勤勉にならざる得なかった、と信じている。
この日本人怠惰説に基づくと、2回目のテレワークは、まさに気の緩みの骨頂となる出来事であり、家で仕事なんてできねーよという怠惰民族たちは、結果を残して生き延びるために(クビにならないように)自ら、人もまばらな会社に足を運ぶこととなる。

テレワークできるできない論争は、学生時代の試験前に、図書館やカフェに行かないと勉強できないタイプ(究極の怠惰グループ)と、人の目がない自分の部屋でもちゃんと勉強できるタイプ(自律が効いているタイプ)の違いにも近いのではないかと個人的には感じている。わたしはもちろん前者。今もリモート打ち合わせの合間ができた瞬間には、ソファにごろ寝し、次の打ち合わせの1分前までダラダラ過ごすことが日課になりつつある。

そんな私のマンションがこの度大規模修繕を開始し、朝の8時半から壁を打ち付ける爆音が部屋に鳴り響くようになり、いよいよリモート打ち合わせが不可能な環境か訪れた。さらに、怠惰な性格上、2回目の緊急事態宣言下において1日中ステイホーム=廃人への道まっしぐらとなった私は、このままでは仕事がなくなるという危機感を持ち、昼から集中して仕事ができる環境を探した。カフェやレンタルオフィスなど選択肢は沢山ある中で見つけたのが…銭湯+コワーキングスペース。

風呂上がりに仕事ができる。なんならサウナでととのいながら仕事もできる。そんな素敵空間が、両国にあると聞きつけ、早速打ち合わせのないリモートワークの日に行ってみることにした。

そこは、相撲の聖地、両国!

両国の江戸遊には、昔この辺りに住んでいた10年ほど前に、たまに足を運んでいた。当時はモーレツ新人時代なので、ヘトヘトになるまで1週間働いたのちの土曜日に、岩盤浴とマッサージをしに来ていた。
思えばあんな時代もあったのに、サウナにハマったおかげで血行が良くなりマッサージに費やすお金が大幅に減ったのが嬉しい。

1日中いて、ごはんがついて3000円という江戸遊満喫コースと、サ水をかってGO!

テレワーク一日中やって、ご飯食べて、風呂入って、岩盤浴とサ活して、3000円はコスパもよい。
コワーキングスペースは湯WORKというらしく、男女別というのも、はだけながら仕事してもよいというのが、ありがたい。

東京中の行き場のないサラリーマンたちが押し寄せているのではないか…
とソワソワしながら場所取りにいくと。。

ドーン

ほぼ貸し切り!
こんな素晴らしい空間をみんな知らないのか⁈
でも混むとやだから教えたくない…
もともと風呂場だったところがリノベされているので、浴槽の中にデスクがあり、そこで作業をするというなかなかシュールな空間。

wifi、電源、USBとリモートワークの必需品三拍子揃っている。さらに、会議室も予約制で借りることができる。
毎日ここに出社できたらどんなに幸せか…。

早速、個室を貸し切りお仕事開始!

普段、家や会社だと集中できなさそうな細かい仕事をし始めたが、すぐ側にお風呂とサウナがあり、いつでも入れる環境だということを知ってしまうと全く集中できない人間の性。
それに少し寒いというのもあり、まずは温まりととのってからの方が仕事も捗るはず、と自分に言い聞かせ、開始して2通くらいメールしただけで早速お風呂へ。なんという集中力。
よく受験できたな…。

江戸遊HPより。

江戸の銭湯文化を象徴する立派なタイル画と、よりどりみどりのお風呂。天然温泉はないのだが、露天にある薬草風呂は、濃度といい湯加減といい大変気持ちのよいお風呂だ。
皮膚の毛穴という毛穴から漢方成分を吸い取り、そこからいよいよサウナへ。

江戸遊HPより

広々としたフィンランドサウナ。オートロウリュもテレビもあって、これは本物感が漂う。
温度も90度近くあって、入って5分もしないうちにシャンパンのような汗の滴が体から出てくる。

蒸されること12分。

待ちに待った水風呂へ。
温度は18度。ちょうど良すぎる。
サウナーの多くは、この水風呂の快感を知った時からハマるというのは本当で、今まで水風呂を無視してきた自分は人生の半分を損してきたと思う。

そこから外気浴ゾーンへ。
最初はびっくりしたあまみも、浮かび上がる度にヨシヨシ、とにんまりする。
冬の風に吹かれながら、頭がクラクラしはじめ、またBuddhaが降臨か…と思った時に、突然チラリと頭をよぎった仕事のこと。

そうだった、仕事せねば。

しかし、ととのいだすと止められないのもサウナー。背徳心を抱えながらもう1セット続けてしまった。
その間、世の中で働いている人たちのことを考えるものの、サウナにいると自分とは違う世界の人に思えてくる不思議。なんというか、仕事なんていうものは人生の一部分でしかない、この時間に私が連絡取れなかろうが知ったこっちゃない。と達観し始める。

風呂とサウナってすごい。コードがめちゃくちゃに絡まったような思考回路が、スーって真っ直ぐに戻っていくような感覚を得られるな。


しっかり3セット決めた後の風呂ワーク。
集中力と仕事の精度があがったことは言うまでもなく、結局昼の12時から閉店ギリギリの22時まで、贅沢な時間を過ごした。

わたしがもし社長だったら、オフィスを無くして、従業員全員に風呂ワークを許可しよう。
いや、オフィスをリノベして風呂にすればいいのか。

両国湯屋 江戸遊
https://www.edoyu.com/ryougoku/
東京都墨田区亀沢1−5−8
料金 ご飯付きフルセットで3000円
源泉掛け流し なし
サウナ 女子はフィンランドとスチーム2つ、
    岩盤浴もあり
水風呂 あり
外気浴 あり
アメニティ 豊富
ドライヤー 豊富 無料
駐車場 なし。提携駐車場だと1000円割引あり
食事 可。美味しい。
フロガーポイント 湯ワークスペースとサウナ
客層 若者多めだが、ドライヤースペースとか出しっぱなしなど、マナーは微妙。

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