見出し画像

チューリングマシーン=コンピューターを作った男の物語り

 『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』は、第二次世界大戦中にドイツが使用していた暗号を解析する天才数学者の物語。

 「イミテーションゲーム」とは、コンピューターの思考能力を評価するために行われるゲームのことであり、人工知能の開発に利用される。コンピューターと人間に同じ質問をして、どれぞれがどちらの回答であるかを隠し、どちらがコンピューターの回答であるかを第三者に判定させるというもの。人間とコンピューターの区別がつかないなら、そのコンピューターは優秀である、つまりより人間に近いとされる。別名をチューリングテスト。
 
 苦悩の末にエニグマの解析機、クリストファーを完成させるアランだが、その完成によって戦争終結は2年以上早められ、1400万人以上の生命が救われたという事実はその後50年以上公にされる事は無かったという。

 そして、戦後アランは同性愛者であることで逮捕され、服役か化学的去勢かどちらかを選ばされた。当時、1967年までのおよそ80年間、同性愛は猥褻罪として有罪となり、4万8千人の同性愛者が逮捕されたという。

 ホルモン剤投与による化学的去勢を選んだアランは1954年、1年間のホルモン投与の後、青酸カリに漬けたリンゴを齧って自殺したという。41歳だった。

 齧ったリンゴは後のApple社のロゴマークだ。



この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?