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#7 不謹慎

「この表現は不謹慎にならないかな?」
お笑いのネタで、攻めたテーマを扱うときに考えます。
天災、病気、殺人など、「人の死」に結びつくものが不謹慎になりやすいのかなと思います。

不謹慎かどうかの線引きは、あくまで個人の感覚でしかないのでなかなか難しいです。
僕が「不謹慎じゃないだろう」と思ったものが、他の誰かには「不謹慎だ」と捉えられる可能性があります。

皆さんは漫才やコントを見て、不謹慎だと感じて笑えなかったことはありますか?
「お葬式」や「余命宣告」などをテーマにしたネタはたくさんあります。
僕自身、芸人さんのネタを不謹慎だと思って笑えなかったことは一度もないのですが、もし自分の大切な人を直近で亡くしていたり、余命宣告を受けた少年のドキュメンタリーを昨晩見たところだったりすると受け取り方も変わってくるのかもしれません。

「火事」をテーマにしたネタは見ますが、「地震」をテーマにしたネタをみたことありますか?(普通にあったらすいません。)
地震大国で震災が身近な日本で「地震」をお笑いのネタにすると笑いにくくなると思います。

自分達の身近にある不幸、不運、理不尽を扱うと「不謹慎」になる。

のではないでしょうか?

「地雷系メイク」や「地雷系女子」なんて言葉がありますが、これは日本人が「地雷」という言葉を使うことを不謹慎だと思っていないから産み出されたのだと思います。
「地雷を踏む」って表現もありますね。
もし、今まさに地雷に怯えながら暮らさなければいけない状況ならばこういう言葉は使えないでしょう。
「爆弾発言」はテレビでも使われている言葉ですが、「原爆発言」なんて言おうものならテレビ局に大量のクレームが入ることでしょう。
「地雷」と「原爆」。不謹慎に感じるかどうかの違いは何なんでしょう?
結局感覚の問題なので難しいですね。


こんなnoteを書いた僕自身は、不謹慎かどうかの判定がだいぶ緩く、割りと重めのテーマを扱うネタを作ることも多い方だと思います。
「不謹慎だから笑えない」では無く、ただネタが弱いことの方が多いです…。

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