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シャカチカ(社会人として力を入れてきたこと)29〜35歳

会社の昇格試験で聴かれる気がするので練習として書いてるやつ⑤。希望していた就職支援の部署に異動しました。いわゆる「キャリアセンター」です。希望が叶うことが珍しいので驚きましたが、ベストを尽くそうと思いました。

初日は緊張して部屋の入口を間違えて、学生さんが就職相談をしている部屋に入るなり、『よろしくお願いしますッ!』と元気に挨拶をしてしまいました。何人かの学生さんがちらっとこっちを見て少し笑っていました。

いきなりカッコわるいスタートでしたし、最初は空回りすることが多かったです。それでもとにかく前進しようと心に決めていました。

これまでお世話になった職場の先輩たちから異口同音に『2部署が大事』と言われていました。『1部署目は見習いで終わるけれど2部署目で自分の仕事の仕方を覚える』とか。

それでとにかく何でもチャレンジしました。キャパオーバーなことほどやってみました。

就職相談

キャリアカウンセラーの資格を取って、就活のお悩み解決や選考対策のお手伝い、1年生や2年生の将来に関する相談に乗っています。もともとが教員志望ですから、この仕事は最初から好きでしたが、千差万別なお悩みに答えていくのは、今でも難しいです。ずっとチャレンジングな仕事です。

パネルトークの司会

企画を考えたり、告知を工夫して参加者をあつめるのは元々好きでした。バンドをやっていて楽しかったのも、企画や告知です。コツは同じでした。

ただ司会は苦手でした。ライブのMCとは全然違います。就活生向けのパネルトークですから、企業の人事担当者に、就活生が聴きたい質問を代わりに聴いていくのが役割です。でも当時は就活生の気持ちがわかりませんでした。

アンケートで『司会が下手』など書かれてけっこう堪えましたが、いまは普通にできます。でも別にトークがうまくなったとか、盛り上げ上手になったわけではありません。

コツは結局、企画のコンセプトをいかにユーザー目線寄りに設定できるか、ということでした。そのために、日々の個別相談やイベントを通した学生さんとのコミュニケーションで、「何を面白いと思うのか」「何を知らないのか」を知るよう努めました。

海外プログラムの引率

東南アジアの日本法人の経営課題に対して、学生さんが半年かけて取り組むプログラムです。

半年ごとに20人弱の学生さんと並走するのですが、毎回が涙なしには語れないほど大変です。学生さんも、職員も。

現地法人や協力しくれる現地の大学、関わるたくさんのスタッフも大変です。学生さんの成長が得られるのはもちろんですが、関わった大人たちにも学びがあります。

ぼく自身にとっての学びは、一番はやはり大学生の成長の過程を間近で見られたことです。

もうすぐ異動

大学職員はだいたい5~6年ごとに異動があります。ぼくもあと半年ぐらいだろうと思います。いまの部署でチャレンジさせてもらったことはここには書ききれません。失敗も多くありましが、そのぶん学んだことも多かった。1部署目よりイキイキ働けたなと思います。

一番の財産は、ユーザー目線を追求できたことです。

新入生から社会人まで。明るい学生さん、引っ込み思案な学生さん、アタマでっかちで一歩踏み出せない学生さん、踏み出しは軽いけれど内省が足りない学生さん、大人のぼくでも素直に尊敬できる凄い学生さん、大人の助けを必要としている学生さん。日本に留学生してきた学生さん、海外に留学したい学生さん、有名な会社に就職したい学生さん、就職活動なんかしないで独自の道をいく学生さん、人には言えない悩みを抱えて生きる学生さん・・・。

いろんな道を歩んできた人たちが、一度「大学」というにあつまって、またいろんな道に歩みだします。就活支援やキャリア教育関連の仕事は、そんな駅の、ホームの係員になったような気分がしました。

多くのひとたちは自分で自分の行き先を決めますが、なかには行き先・行き方を尋ねてくる人もいます。尋ねてはこないけれど、迷っている人もいます。迷ってもいないけれど、「そっちに行って大丈夫かな?」と心配になる人もいます。あるいは、ちがう道を見せてあげることで視野が広がる人も。

キャリアセンターの職員は、よく他大学のキャリアセンターや情報会社と合同で勉強会や情報交換を行います。そんな中でよく聞こえる声が「就職支援の仕事が必要なくなるのがベスト。学生たちが自走できるようにするのが就職支援。」というものです。でも果たしてそれだけでしょうか?

ただ通過するだけの駅ではなくて、そこに集まった人たちがいろんな行き先・行き方を発見できて、そこに有能なナビゲーターがいる駅にしたいな、と今思っています。

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