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印度林檎之介@小説
2014年8月23日 04:55
男はその日、牢から出た。男は長い間、牢に入っていた。男の属していた組織の、不祥事の責任をとったのだ。別に男一人が悪いわけではない。男が責任者だったわけでもない。だが、無実、なのでもない。誰かが罰を受けなくてはならなかったのだ。牢から出た彼を迎える者は、だれもいない。男一人に罪をかぶせ、多くの人が救われたが誰も感謝などしなかった。むしろ、男の存在を汚いもののように