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料理科学 「料理のさしすせそ」


「料理のさしすせそ」という言葉を聞いたことがあるかもしれない。
これは、この順番で調味料を入れると味がしっかりつくというものである。

さ・・砂糖
し・・塩
す・・酢
せ・・醤油(せいゆ・・昔の醤油の呼び方)
そ・・味噌(味噌のそ)

ただ、そもそも、この5種類の調味料を全部入れる料理も少ないし、
いちいち入れる順を考えているのはめんどくさいと言える。
レシピ本などにも、わざわざ書いていない。

しかし、理論を知っておいて損はないので、考えてみよう。

まずは簡単に結論から

①砂糖が先で、塩が後の理由
砂糖はタンパク質を柔らかくする(水分をよく吸って肉を柔らかくする)作用がある。一方で塩は、素材を引き締める(水分を外に出す)作用がある。
このため、先に塩を入れると砂糖がしみ込まなくなる
逆に先に砂糖を入れると、後から入れた塩がしみ込みやすくなる。
※醤油には塩分が16%ぐらい含まれているため、塩と同じで後に入れる

②酢を塩の後に入れる理由
酢は、タンパク質を引き締める(素材を引き締める)効果が塩より強い
そのため、先に酢を入れると、味がしみ込まなくなる。
また、酢は加熱すると揮発する。
つまり、早く入れて加熱すると酢の酸味が飛んでしまうため、後に入れる。
※加熱した酢の蒸気を吸い込むと、むせてしまう。これは、言い換えると酸味が揮発しているということ。

③醤油と味噌が最後の理由
醤油や味噌は、味よりも香りを大切にする調味料である。
そのため早く入れてしまうと、加熱により香りが抜けてしまう。
※煮炊きものをしている時に、良い香りがするというのは、言い換えると香りが料理から抜けているともいえる。

酒やみりんはいつ入れる?

砂糖より前、一番初めに入れるのが良いとされている。
酒とみりんに共通していることは、アルコールが含まれている点である。
アルコールは78℃で揮発するため、先に加えて加熱することで酒臭さを消す必要がある。

酒やみりんの特性として
①臭みを消す
②風味をつける
③照りをつける
④焦げ色をつける
⑤煮崩れを防ぐ
の効果がある。


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