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BOOK REVIEW vol.050 ゴミ拾いをすると、人生に魔法がかかるかも♪

今回のブックレビューは、吉川充秀さんの『ゴミ拾いをすると、人生に魔法がかかるかも♪』(あさ出版)です!

著者は、株式会社プリマベーラの会長兼CGO(最高ゴミ拾い責任者)で、「ゴミ拾い」をライフワークにされている、“ゴミ拾い仙人”こと吉川充秀さん。

340ページにわたり「ゴミ拾いをはじめた理由」や「ゴミ拾いをはじめてからの変化(ゴミ拾いの効用)」、「ゴミ拾いの心得」などがたっぷりと綴られています。大ボリュームですが、吉川さんの文章は自然体でとても読みやすく、ユーモアのあるお人柄(お会いしたことはないのですが)が伝わってきて、読んでいると不思議と心が軽くなりました。

テーマは「ゴミ拾い」。例えば、「トイレ掃除」も“開運”につながる行為としてよく耳にします。「ゴミ拾い」も、私の中では“徳を積む”行為としてのイメージがあることから、書籍を読むまでは「スピリチュアル系の内容なのかな?」という先入観がありました。しかし実際に読んでみると、スピリチュアル(精神中心)とマテリアル(物質中心)、どちらか一方に偏りすぎることのない中庸さが心地よく、地に足がついた「ゴミ拾いの魔法」のお話を楽しむことができました。

私は私のためにゴミ拾いをしています。私は、ただ楽しくて気持ちが良くて、ゴミ拾いをしています。そして、ゴミ拾いをしていると、大切なアイディアを閃いたり、鼻歌が出たり、無になれて、結果として上機嫌になるので、ゴミ拾いをしています。

『ゴミ拾いをすると、人生に魔法がかかるかも♪』より引用

こちらは、とても印象的だった一節。吉川さんの「ゴミ拾い」は、開運や徳を積むためではなく、世のため人のためでも、道にゴミを捨てた人への憤りでも、人から賞賛されたいという欲求からでもなく・・・ただ“自分のため”であるという理由に驚きました(私だったらつい下心出ちゃいそう…苦笑)。そして本文を読み進めるうちに、“上機嫌でいる”こと、“自分の上機嫌は自分で創る”ということの重要性が、とてもよく伝わってきました。

また、『ゴミ拾いをすると、人生に魔法がかかるかも♪』という絶妙なタイトルになった経緯も興味深かったです。タイトルもそうですが、書籍全体を通して感じたことは、何事も誇張することなく、ポジティブな言葉で“ありのまま”を伝えてくださる吉川さんの言葉のセンスが素敵だということ。そして、どんなことにも“自分なりの楽しみ方”を見出せることは素晴らしい才能だと思いますし、とても尊敬します。

袋とトングを持ったスタイルでの「ゴミ拾い」は、前職場でのボランティア活動が最後ですが、「ゴミ拾い」が世界平和や社会貢献、本当の愛へと繋がることを知り、あらためて「ゴミ拾い」の尊さ、奥の深さを感じました。今日からあらためて道に落ちているゴミに意識を向けてみようと思います。ゴミを一つ拾うことで、もう一つ、またもう一つと回数が増えて、やがて習慣になっていくといいな。それは誰かや何かのためではなく、もちろん自分のために。

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