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BOOK REVIEW vol.026 山の上のパン屋に人が集まるわけ

今回のブックレビューは、 平田はる香さんの『山の上のパン屋に人が集まるわけ』です!今回も星読み係 yujiさんの“life change book”の中から選ばせていただきました^^

大切なのは、ひたすら自分の違和感を明確にしていくこと。
健やかに年商3億円を売り上げる平田さんの心の変遷を描いた一冊。

長野県東御とうみ市、360度を山々に囲まれた土地で「パンと日用品の店 わざわざ」を営む平田はる香さんの著書。描かれているのは、東京から長野へと移り、主婦としてたった一人で始めたパンの移動販売が、やがて年商3億円を売り上げるお店へと成長するまでの経緯。そして平田さんの考え方や悩みや葛藤、それらをどのように乗り越えてきたか、社内トラブル等も包み隠さず記されている。

・パン屋が人間らしい生活をできないのはふつう
・売上を長時間労働でカバーするのはふつう
・利益を出すために人件費を削るのはふつう
・お客さまに「NO」と言えないのはふつう
・成功のためにはヒエラルキーに従うのがふつう

心を犠牲にしてまで、守るべき「ふつう」なんてない。

『山の上のパン屋に人が集まるわけ』帯より引用

本文中にも何度も登場する「ふつう」という言葉がとても印象的だった。今の世の中が求めている「ふつう」と、平田さんの「ふつう」。つい世間に流されてしまいそうになるけれど、そこに生じる違和感に目をつぶることなく、より自分たちにフィットした健康的な「ふつう」を模索し、すぐに行動に移す平田さん。長時間労働がおかしいと思えば別のパンの製法を研究したり、毎日20種類以上焼いていたパンを2種類に減らしたり…。世間の風当たりや、それまで贔屓にしてくれていたお客さんのことを考えると決して容易いことではないけれど、悩みながらも必要に応じて変化し続け、「私たちはこう考えています」と胸を張って主張できる平田さんはとても強い人だと思った。

でも1つだけ言えることがあるとするならば、私はずっと、自分の気持ちには正直に生きてきたように思います。自分の中に生まれる違和感を見過ごすことがどうしてもできなかった。
おかしいことからは逃げ出して、あるいは向き合うべきことに向き合って。その積み重ねで、今の私が、今の「わざわざ」があるように思います。

『山の上のパン屋に人が集まるわけ』P12より引用

平田さんの言葉はとても清々しく、余計な装飾や思惑が混ざっていない分、思いがまっすぐに伝わってくる。平田さんには実際にお会いしたことはないし、長野のお店にも伺ったことはない(オンラインショップで買い物はしたことはある!)けれど、純度の高い言葉だなと思った。言動が一致していて、「自分の心に正直な人」という印象を強く受けた。

平田さんのお店との向き合い方にとても感動し(特にキャラメルナッツベーグルのスズキさんの話に涙)、考え方、行動力、瞬発力、お店のつくり方など、とても勉強になることが多かった。そしていつの間にか、真っ直ぐな想いを携えて、未開の地を開拓する平田さんの大冒険を見させてもらっているようで、わくわくしながら読んでいた。私自身も主婦だけれど、その姿に触発されて、何かに挑戦してみたくなったし、もしもその時がやって来たら、平田さんのことを思い出して、私にとって“健やかでいられる方法”を目指したいと思った。

『山の上のパン屋に人が集まるわけ』の初版は2023年4月。そこから半年以上が過ぎ、オンラインショップを覗くと平田さんの大冒険はどんどん進んでいて驚くばかりだった。私もいつか(近いうちに必ず!)山の上のパン屋さんにお邪魔できる日をとても楽しみにしている。

「パンと日用品の店 わざわざ」のオンラインストアはこちら!

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