尿路結石治療体験記~ステント留め置き術

ステントを入れるのもすぐにはできず、2週間後にと言うことになりました。そして2週間後、覚悟を決め、なるべく気持ちを軽く持つようにして病院へ行きました。

まずレントゲン室に行くようにとの指示だったので、レントゲン撮ってそれからその写真を見ながら医者から手順とかの説明があるのかなと思って気楽にレントゲン室に行きました。そこで紙パンツに履き替えるよう言われ、随分早めに準備するのだなあと思いながら指示されるまま台に横たわったのですが、じゃあステント入れますと言われ動揺しました。えっ? レントゲン撮るんじゃないの? まだ全然心の準備ができてないんだけど! 

驚いてもうやるんですかと聞くと、説明受けてないんですかと冷たく返され、ではやりますねといつものルーチン作業をやるように淡々と始めました。こっちは突然のことで心の準備もできてないし、説明と言ったって2週間前に尿道からステント入れますくらいしか聞いてないし、そもそも2週間前のことなんで良く覚えていないし。

そんなこちらの動揺にかまいもせず、ではゼリーを入れますと言われました。確か2週間前の説明ではゼリー状の麻酔を入れますから大丈夫ですとか言っていた気がしますが、出てくるところから入れるのですからそれなりの痛みはあります。しかも動揺と緊張で神経が過敏になっているので、感じる痛みもなおさらです。

台に寝ているので、何をされているのか見えない分からないというのも恐怖を呼び起こします。何か長いものを入れられているという感覚と共に、時々激痛が走ります。台に横たわる時に、台についた握りを握って下さいと言われた意味が分かりました。レントゲンを撮る時に傾くからずれないようにではなく、激痛が走るから握って耐えろと言うことでした。私は、妊婦さんが出産する時を連想し、よくも女性は耐えられるものだ、すごいな、産んでくれてありがとうとか思っていました。

痛みの感じ方は人それぞれだそうで、私はとても痛みに弱いようでした。時々激痛が来るのですが、医者は何の説明もなく淡々と進めるので、その激痛がいつ来るか分からない。だから、いつ来るか分からない激痛に耐えるため、ずっと身体中に力が入ってこわばった状態で耐えていました。

何をされているのか分からないという恐怖。いつ来るか分からない激痛の恐怖。それはもう、その時の私にとっては死の恐怖でした。全身がこわばりがたがたと震えている。医者は淡々と作業をしている。看護師さんが、ゆっくり深呼吸をしてとか手を握ってくれたりとかしてくるのが唯一の救いで、ずっとそばにいてくれ手を握っててくれと思ってました。心が折れないためには、人の励ましは本当に大事なんだと思いました。

<つづく>


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