尿路結石治療体験記~ステント留め置き術のその後

ステントを入れるのに手こずっているようで、もう1回カメラ入れますとか言いながら作業が進められます。今何もしてないですよ大丈夫ですよと看護師さんに言われても、次の瞬間激痛が走るかも知れないので力を抜く余裕なんてありません。私は、自分の腎臓を守るんだとか、神様仏様とか口の中でぼそぼそ繰り返し、自分を必死に励まして耐えていました。

10分くらいで終わると聞いていましたが、結局20分以上かかったでしょうか、ようやく終わりましたと声をかけられました。全身に力が入っていたため疲れ果ててふらふらになった身体を起こし、よろよろと歩いて扉の向こうでズボンを履き替えました。みると、おしっこが出るところからは、血がにじみ出しています。拭いても拭いてもにじみ出してくる。しばらく血尿が出るけどすぐ出なくなりますとか言われましたが、こうにじみ出した状態ではパンツが血まみれになるので、ティッシュペーパーを当ててパンツをはきました。レントゲン室に入る前、先に治療を受けていた方がよろよろと出てきた訳が判りました。こんなことを経験したら、よろよろになって出てくるのは当たり前です。

それから医者との面談が有り、ステントの状況の説明をしてもらいました。ステントを入れてくれたのはいつも診断してくれる医者とは別の医者だったので、いかにつらく大変だったか訴えましたが、実際の私の状況を見ていないのでそんなもんだと軽く流されました。もっといろいろ言いたいことはあったのですが、ショックと疲労で頭が回らず、医者の話も右から左に抜けていく感じで頭に入らない状態でした。次回ステント交換は3ヶ月後のこの日だと告げられて帰ってきました。

さて、おしっこがしたくなったのでトイレに行ったのですが、真っ赤な血尿と共に激痛が走りました。思わず立っていられなくなるような激痛でした。確かに、しばらくおしっこする時痛いかも知れないですと言われた気がするが、痛いかも知れないなんてもんじゃなかった。ステントを入れた時にも劣らない激痛。痛いからと言って出ているおしっこを止める訳にも行かない。それから、トイレに行くのが恐怖になりました。おしっこする度に激痛が走る。出る前に痛いぞ痛いぞとまず自分に心構えをさせ、なるべくゆっくり出そうとするのですがそんな調整ができるはずもなく、ほとばしる血尿と共に激痛に身もだえていました。

水をいっぱい飲んで下さいとか言われたけど、なるべく飲まないでトイレに行かないようにしてました。2日くらいは激痛が走り、3日目くらいからようやく痛みも弱まってきました。でも血尿は相変わらずで、それが不安で気も滅入っていました。

それから、ステントが膀胱を刺激するせいか常にトイレに行きたい感じが続きました。さっき行ったばかりなのにもう行きたい。突如として強烈な尿意がわき上がり、それはとてもがまんできるようなものではありませんでした。かといって、トイレに行ってもさっき出したばかりなので大して出る訳でもない。しかし、強烈な尿意は相変わらず突如としてわき起こる。無理矢理押さえこもうともしましたが、無理でした。もはや逆らわず、尿意の度に出はしないのにトイレに行きました。トイレが近くにないと不安な状態です。

5日目くらいに高熱が出ました。病院に電話すると診察するので来て下さいという。女房殿に車で連れて行ってもらい、尿と採血の検査をすると感染症とのこと。ステントを入れる際にできた傷から細菌が入ったらしい。そりゃこんなに血尿が出るんだからずたずたに傷ついてるよなと思いながら、弱っているのでたいしたことも言わず抗生物質をもらって帰ってきました。

<つづく>

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